本選開始直前

エマ

「私もアイラさんの優勝に賭けましたよ。」


ミソラ

「やっぱり招待選手が人気で、予選参加組は倍率高いから狙い目だよ。」


アイラ

「負けても文句は言わないでよ。

賭けるのは自己責任だからね。」


「よ~し、明日の朝、賭けてこよ。

ちなみにアイラさん以外に注目選手はいるの?」


マユラ

「招待選手の中でも特に人気なのは4人ね。

前回大会の優勝者、ランドルフ。

前回準優勝の、カーチス。

スノーデン王国騎士団副団長、レイブン。

5連覇して殿堂入りしたグエンって人の弟子、ラウル。

この4人が抜き出ているわね。」


アリエッタ

「実績のあるランドルフとカーチス。

王国が一般人による優勝を阻止する為に送り込んだとも言われているレイブン。

グエンはスノーデン王国では有名で、道場を開いて弟子を大量に取っているらしいわ。その中で一番強いのがラウルって人らしいよ。」


なんで、そんなに詳しいの?

僕は賭けをやっていることさえ知らなかったのに。情報収集能力高過ぎだよ。


アイラ

「有名、無名問わず手ごわい相手ばかりだろう。私は明日の本選があるので、先に休ませてもらう。」


「おやすみ。」


その後、残りのメンバーはお酒を飲みながらワイワイ過ごし、眠たくなった人からテントに入っていった。


ちなみに僕らのテントの周囲には結界を張ってある。モンスターとか変な連中が入ってこれないようにしてある。

ついでに夜は特に冷えるから、寒さ対策もしっかりしています。

周囲のテントからは奇異の目で見られてたけど気にしたら負けだよね。




翌朝。

早速、アイラさんに賭けに行きました。

Aランク商人の財力を見せてやりましたよ。

10万ウォンカを賭けました。

イメージだとG1レースに1000万円賭けるような感じだよね。

窓口のおばさんも驚いてたね。



本選は午前中からスタートする。

街の外の演習場みたいなところで行われる。

広場に観客席だけ臨時で作った感じ。

良い席は事前に売り出してたみたい。

僕らはかなり後ろの方の席になった。

観客席は傾斜がついているので、後方の席でも試合が見られるようになっている。

ちっちゃくだけどね。


後方の自由席は押し合いな感じ。

僕らは子どももいるので、大人でカバーする。


アリエッタ

「アイラさんの試合は4試合目だね。」


テレサ

「相手は前回準優勝のカーチスです。

油断のならない相手です。」


いきなり注目選手が相手か~。

アイラさん、大丈夫かな?

まぁ、多少ケガしても治すから問題ないんだけどね。


時間がきた。

場内にアナウンスが流れる。


実況

「定刻となりました。

これより、武闘大会本選を開始致します。

なお、国王陛下が今大会を観覧されます。」


国王陛下が立ち上がり、手を挙げる。


パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

会場では拍手が鳴り響く。


実況

「国王陛下に満足頂けるような素晴らしい試合をお願い致します。

なお、上位者には国王陛下より豪華賞品が用意されております。優勝の栄誉と豪華賞品を目指して頑張ってください。


続きまして、本選のルールを説明致します。

相手のHPが失くなる、

気絶する、

敗北を宣言する、

そういった場合、試合を終了し、勝利を宣言致します。

また、これ以上の継続は危険と審判が判断して止める場合もございます。

審判が装備しているゴーグルにはHPを可視化する効果がございます。

選手の生命を守る為の措置ですので、ご理解ください。

回復アイテムなどの消費アイテムの使用は禁止です。大怪我をした場合、審判団が即座に使用しますので、安心して試合に挑んでください。


それでは、これより第一試合を開始致します。出場選手は入場してください。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る