スカウト
僕
「リョーコさんは僕の店で働くつもりはないですか?
その素材を自由に使えますよ。」
リョーコ
「えっ!?」
僕
「さっきも言ったように、僕のお店にはスイーツの専門家がいないんです。
リョーコさんが腕の良いパティシエールなのはわかりました。
どうですか?」
リョーコ
「さっきの生クリームもチョコも自由に使えるってこと?」
僕
「もちろんです。
生クリーム、チョコ、フルーツ、小麦粉、卵、蜂蜜、すべて自慢の食材です。
どうですか?」
リョーコ
「信用してもいいの?」
僕
「僕、Aランク商人なんです。
多少は信用ある方ですよ。」
僕はギルドカードを見せる。
リョーコ
「Aランク商人!?
初めて見たわ。
確かにAランク商人が私みたいな菓子職人1人を騙しても仕方ないわね。
わかったわ。
アキラさん、
あなたについて行くわ。
店をたたむ準備をするから、3日、時間が欲しいんだけど、待ってもらえるかな?」
僕
「もちろん。
じゃあ、3日後にまた来ますね。
あっ、僕のマジックバックは容量が凄いから、必要な荷物は持って行けるから心配しなくていいですよ。
それと、ここから僕のお店まではスキルで瞬間移動出来るから、移動の心配も不要です。」
リョーコ
「荷物は全部持っていけて、移動は一瞬。
引っ越しの苦労はゼロね。
信じられないことだらけね。」
僕
「よく言われます。
じゃあ、僕のお店の近くに賃貸の部屋を用意しておくつもりですから、そちらもご心配なく。」
リョーコ
「さっきのショートケーキとガトーショコラを食べてないと絶対に信じられない話よね。
あのケーキのためなら騙されてもいい、ぐらいの気持ちだからついて行くけど。」
僕
「料理は嘘をつかないから。」
リョーコ
「まぁ、とりあえず信じて待ってるわ。」
そこから、パエルモに戻って、コーラル商会のエミルさんに賃貸部屋の用意をお願い。
さすがに時間が無さ過ぎる、と言いつつ対応してくれた。
そして、満腹亭のみんなにも報告。
僕
「数日後にリョーコさんっていうお菓子の専門家が来ます。」
リィズ
「どういったタイプのお菓子が専門なんですか?」
僕
「ケーキとかの洋菓子系だね。」
フィオ
「そうなんですね!
頼もしいです。」
マユラ
「そうなの?
リィズやフィオの作るケーキは抜群に美味しいけどな~。」
リィズ
「ありがとうございます。
でも、私たちではアキラ様のイメージを具現化出来ないケースも多くて。」
フィオ
「私たち、料理はデラーノさんに基礎を教えて頂きましたけど、菓子は独学なので、限界を感じていたところだったんです。」
僕
「当面はうちの店で働いてもらいながら、いずれスノーデン王国に出店してもらおうかと思ってるんだ。
もちろん、転移システムでつなぐからいつでも行き来は可能だよ。」
リィズ
「たぶん、モルトさんも喜ぶと思いますよ。
コースのデザートにもう少しこだわりたいって言ってたから。」
フィオ
「もしかしたら、平日は満月亭でデザートを使ってもらうのが良いかもしれませんね。」
僕
「そうだね。
確かに、満腹亭だと、
プリンとかゼリーとか、
簡単なものじゃないとバランスが悪いもんね。」
アリエッタ
「それで、リョーコさんって
どんな人なの?」
僕
「異世界人の菓子職人ってことぐらいしか僕も知らないんだよね。
でも腕や探求心は本物だと思うよ。」
アイラ
「スカウトするなら、もう少し身辺調査をした方がいいぞ。
どこかの回し者の可能性もあるからな。」
僕
「これからは気をつけます。
まぁ、リョーコさんは大丈夫だと思うけど。
不審な動きがあったら教えて、その気になれば、すぐに自白させられるから。
出来ればやりたくないけど。」
アイラ
「アキラが拷問とかに向いているとは思えないが?」
僕
「『操人』ってスキルがあって、その気になればだいたいの人は操れるよ。
ただ、絶対に解除した後に嫌われるから、極力使いたくないけどね。」
マユラ
「えげつないスキルね。」
ルーシュ
「そういったスキルを濫用しないのがアキラ様の素晴らしいところだと思います。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます