太っちょボス
ボス
「ウオォォォォ!!」
太っちょボスが叫び声をあげた。
太っちょボスから闇の波動が部屋を満たす。
僕
「あっ」
この波動、厄介だね。
『弱体化』の状態異常を与える効果がある。
『弱体化』はステータスの低下だ。
部屋全体に放つから逃げ場はない。
僕は結界で防げるけどね。
従魔たちはステータス異常になっている。
ドラ
『やってくれるじゃねぇか!』
ドラが雷撃を放つ。
ドカドカドカドカドカドカ
しかし、太っちょボスに防がれてしまう。
リン
『守りかたいね~。』
そんなことを言いながらリンが太っちょボスの背後から不意討ちを放つ。
吹き飛ばされた太っちょボスにゲコが追撃を仕掛ける。
しかし。
ゲコは不穏な気配を察知し、とっさに飛び退く。
その瞬間、太っちょボスの体にあるいくつかの口から不気味な煙が吹き出された。
僕
「その煙は避けてね。
猛毒、麻痺の効果があるよ。」
ベル
『なら近付かなければいいのだろ!』
ベルが放つ強烈な火炎が煙ごと焼き払う。
だが、太っちょボスは意外に機敏に動く。
ベルの炎を避ける。
シュルシュルシュルシュル
太っちょボスに蔦が絡みつく。
ハナ
『・・・捕まえた。』
しかし、
太っちょボスの体にいくつもある目があやしく光る。
その光線を浴びた蔦が石化していく。
石になった蔦を太っちょボスが砕く。
太っちょボスの腹の顔が口を開く。
禍々しいブレス。
狙われたのはガウ。
ん?
避けない?
ゲコがとっさに抱えて飛び退く。
僕
「気をつけて!
ずっと響いてる音には『眠り』にする効果があるよ。
いつ眠らされるかわからないよ。
それと、お腹ブレスは威力も高いし、
猛毒、麻痺、混乱、眠り、火傷の状態異常効果もある。」
状態異常のラッシュ。
それに、かなり耐久力も高そうだ。
ガウ
『すまん。
我とゲコ、リンとドラ、ハナとベルで一緒に動き、どちらかが眠ったりした場合はサポートに入る。
いいな!』
ガウの指示が的確だった。
一気に戦況が有利に傾く。
ガウとゲコが素早さを活かして牽制する。
リンとドラがメインアタッカー。
ハナとベルが遠距離攻撃で砲台となる。
ボゥがいれば防御と回復もバッチリだったんだけどね。回復担当の不在は厳しい。
太っちょボスが行う広範囲状態異常攻撃の連打をすべて避けることは難しい。
仕方ないから僕が状態異常回復の魔法を飛ばしている。
攻撃を当てる回数は断然、従魔たちが多い。
だけど、太っちょボスの耐久力が高い。
そして、従魔たちも徐々に毒などのダメージが蓄積していく。
僕が毒は解除するけど、多少のダメージは入るからね。
ガウ
『畳み掛けるぞ!』
ドラ
『よっしゃー!』
リン
『全開でいくね~。』
ベル
『すべてを焼き尽くしてくれるわ!』
ゲコ
『お前の役目は結界魔法だ。』
ゲコがベルの肩を叩く。
ハナ
『・・・補助。』
ベル
『くっ、くそ~~~』
ベルの結界魔法を盾に一気に距離を詰める。
決着をつける為には、ガウとゲコの近接攻撃。状態異常をくらうことを前提に、最大火力を叩き込む!
巨大化した
ガウの爪が、
ゲコの刀が、
必殺の一撃を放つ。
太っちょボスの体を深々と切り裂く。
太っちょボスの放つ光線で2人は石化していく。
リンの放つ闇が太っちょボスを逃がさない。
身動きの出来ないところに巨大化したドラが全力のブレスを放つ。
勝負あり。
さすがにボロボロの状態であの強烈なブレスは耐えられなかったみたい。
『見事だ。
猛き毒も汝の心までは蝕めなかった。
その心をかき乱すことはなかった。
一寸先は闇。
ほんの少しのことですべては狂う。
自ら選んだ道を進む為の力を授ける。
なにものも汝を止めることはできない。』
いつもの戦闘終了の声だ。
まずはガウとゲコの石化を回復しないとね。
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