スノーストーン

マジックストーン屋さんで記念にスノーストーンなどをいくつか購入して店を出た。

僕のマジックバックに入れておけば劣化もしないしね。




死の山。

スノーデン王国の北部に位置する大きな山だ。年中雪に覆われて、溶けることはない。


確かに山のすそ野に広がる森林にはスノーストーンがあった。そこら辺にいっぱい転がってる。

スノーストーンを詳しく調べると、魔鉄を沢山含んだ石だった。

その魔鉄が長い年月をかけて周囲の冷気を吸い込み、変質したのがスノーストーンだ。


なるほどね~。



死の山を登ってみました。

普通に登るのは無理だね。

僕は結界を張りながら空を飛んできたから楽勝だったけど。


視界はすぐにホワイトアウト。

足場は最悪。

滑落の危険がそこらじゅうにある。

気温もマイナス数十度。

凍ったバナナで釘を打てますよ。

更にモンスターも出てくる。

山頂付近はアイスドラゴンが群れでいた。

普通の冒険者には登頂は無理だろうね。


山頂付近には確かに永久氷石がありました。

しかもけっこうな数。

たぶんだけど、雪崩とかで流された永久氷石が市場に出てくるんだろうね。


早速、いくつか採取。

永久氷石になるまで時間がかかるみたいだから、取り過ぎはよくないよね。


永久氷石はスノーストーンよりも魔鉄の純度が高そうだね。

純度の高い魔鉄が時間をかけてスノーストーンになり、更に時間をかけて永久氷石になるんだと思う。



・・・スノーストーンぐらいなら作れないかな?

精製済みの魔鉄を使って、ちょっとした加工をすれば出来そうな気がする。


たくさんいたアイスエレメントってモンスターのコアと魔鉄を掛け合わせて、、、

あっという間に人造スノーストーンの完成。


性能は、、、

スノーストーンとはちょっと違う。

魔力を供給すると2~3日冷たい。

でも、魔力が切れると普通の金属プレートになってしまう。

ただし、魔力さえ供給すれば何度でも冷たくなる。

これは夏場に便利かも。

簡単に作れるし。

使い方をコーラル商会のガロッソさんに相談してみよう。


山頂から、そのままスノーデン王国の王都とは逆方向、北に向かって飛行する。

目指すはツンドラ大陸のダンジョンだ。

せっかくセントラル大陸の北部まで来たから、ツンドラ大陸のダンジョンを登録しておきたい。




でも、海を渡る前に街で一泊しよう。

泊まるのはセントラル大陸北限の街『ノースポート』。

ここから海を渡ればツンドラ大陸に行ける。

『ポート』という言葉が街の名前に入っているけど、港としての機能はない。

海岸は全て流氷で覆われ、船が接舷することも出来ない。


ツンドラ大陸に渡る方法も船ではない。

歩きだ。

もちろん超ハード。

挑戦する人間はほとんどいない。


流氷の上を歩いて行くしかないが、分厚い氷の下を流れる潮の影響で、氷が急に割れたり、流されたり、そんな状態らしい。


当然、モンスターも出てくる。

モンスターが暴れると地面の氷が砕けて、水が吹き出したりもするらしい。

こんなところで濡れたら、一発で凍傷や凍死コースだ。



とりあえず、北限の街を散策する。

と言っても、冒険者なんて来ないらしい。

宿屋すら見当たらない。


そして街の人は獣人ばかりだ。

白熊に近いかな?

大きくて毛むくじゃら。

耐寒能力が人間よりも高いんだろうね。


白熊人

「珍しいね~、人間がここまで来るなんて。

よく生きてここまでたどり着けたね。」


声の感じはおばちゃんって感じかな。

見た目はみんな一緒に見える。

いきなり声をかけられた。


「特殊なスキルがあるんで。」


白熊人

「そうかい。

わざわざノースポートに来るなんて、

物好きだね~。

でもここじゃ、泊まる場所もないよ。

なにせ、街の外から人が来ることなんてないからね~。」


「そうなんですか。」


白熊人

「良かったら、うちに泊まっていくかい?

宿泊料金の代わりに、外の世界の話を聞かせてくれたら嬉しいね~。」


世話好きのおばちゃんみたい。

どうしようかな?

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