グランドマスター
スノーデン王国の情報を仕入れ、翌日には出発。
遠い。
不便。
セントラル大陸北部にダンジョンがない。
東部、南部、西部にはあるんだけどね。
一応、ヒルギスのダンジョンからスタートしたけど、スノーデン王国は広いからね。
広がる景色は雪か林。
退屈なフライトだ。
特に問題もなくスノーデン王国の王都周辺に到着。スノーデン王国の王都は国内ではかなり南よりに位置するのでまだ近かったと思うべきかな。
そこから歩いて入国を果たす。
歴史のある街並。
レンガ造りの重厚な建物。
北欧のイメージかな。
・・・行ったことはないけど。
まずは商人ギルドを目指そう。
商人ギルドの建物は街の中心部にあった。
さすが、グランドマスターのいる支部。
大きくて人の出入りも多い。
入口で突っ立てても邪魔なので、とりあえず窓口に行ってみよう。
どこも列が出来ている。
仕方ないから、並ぼう。
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・
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ようやく僕の順番だ。
窓口
「いらっしゃいませ。
今日はどうされましたか?」
僕
「えっと、、、グランドマスターにお会いしたいんですけど。」
窓口
「アポイントはございますか?」
僕
「あ、いえ。」
窓口
「そうですか。
申し訳ございません。
グランドマスターは多忙のため、アポイントのない面会はお断りしております。
アポイントを取得してから、ご訪問をお願い致します。」
僕
「あの~、
えっと、、、
一応紹介状はあるんですけど。」
僕は紹介状を窓口の女性に差し出した。
窓口
「これは、、、
パエルモのギルドマスターからですか。
ギルドカードを拝見してもよろしいでしょうか?」
僕はギルドカードを差し出す。
窓口
「ありがとうございます。
少々お待ちください。」
窓口の女性が奥に行った。
・・・しばらく待つと。
窓口
「お待たせして申し訳ございませんでした。
こちらへどうぞ。」
案内されたのは応接室。
窓口
「グランドマスターは現在会議中です。
対応が決まり次第、お伝え致しますので、こちらで少々お待ちくださいませ。」
お茶を飲みながら、再び待つことに。
・
・
・
お茶も飲み終え退屈していると、ようやく2人の人が入ってきた。
1人は目つきの鋭い男性。
もう1人はザ・秘書って感じの女性。
男
「お待たせして申し訳ない。
私が商人ギルドのグランドマスターをしている、イーロンです。
よろしく。」
サッと手を出してくる。
おそるおそる握手した。
力強く握ってくる。
自信に満ちあふれてる感じだ。
僕
「アキラです。
よろしくお願いします。」
イーロン
「発展著しいパエルモのギルドマスターから、その若さでBランクまで登ってきた実業家と会って話を聞いて欲しいとの要望だ。
興味を惹かれてね。
予定を変更して時間を作ってきたよ。」
僕
「あ、ありがとうございます。」
苦手なタイプかな。
ぐいぐいこられるとしんどい。
イーロン
「さて、ジャブル大陸に商人ギルドの支部を増やして欲しいという話と聞いているが、相違ないかな?」
僕
「はい。」
イーロン
「ギルドの支部を増やす目的を聞かせて欲しい。」
僕
「えっと、、、
ギルド支部を増やして欲しいのは僕じゃなくて、百獣会のグルラさんなんです。
僕はその橋渡しを頼まれたんです。」
イーロン
「百獣会、、、
たしか、ティモンを拠点にジャブル大陸の交易を取り仕切っている組織だな。
そこの代表のグルラ氏が君に橋渡しを依頼したと。」
僕
「はい。
グルラさんは大型船の造船所も建設中です。
ハンドル群島との交易を増やして、それをきっかけにジャブル大陸内の人や物の移動を活発にしたいと考えているようです。」
イーロン
「なるほど。
確かにグルラ氏は先進的な人物だと聞いている。ただ造船所の建設は簡単ではないよ。
ハンドル群島の南部やジャブル大陸で主に使われているのは小型の簡易な船です。
交易を促進するための大型船となると、その造船のノウハウが必要でしょう。
やみくもに船を造っても、沈没させてしまっては逆効果だ。」
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