スノーデン王国の情報
トマーシュ
「スノーデン王国か~。
そんなに詳しい訳じゃないよ。
それでもいいかな?」
僕
「もちろん。
今度行く予定だから、少し知っておきたくて。」
トマーシュ
「良い心掛けだね。
少しでも事前情報があるのとないのでは全然違うからね。
スノーデン王国はセントラル大陸の北部に位置する大国でね、ドバン帝国の次に大きな国だよ。
ただ、寒さが厳しくて、一年の半分は雪におおわれる地域がほとんどなんだ。
そのため、国土の広さの割には人口は少ないし、決して豊かとは言えない状況だね。
特にドバン帝国に南部の穀倉地帯を奪われてからは悲惨な状況だったらしい。ただ、新生ドバン王国建国のタイミングで穀倉地帯の奪還を行い、ほぼ以前の領地に戻ったから、少し状況は良くなっているようだよ。」
やっぱりトマーシュさんの解説はわかりやすいね。
トマーシュ
「アキラ君が興味がありそうな料理や食材についてだけど、あまり充実しているとは言えないね。
夏場に用意した食糧で必死に冬を乗りきっているって感じだよ。大地は凍りつき、海も流氷で埋まる。非常に厳しい土地だよ。
冬場にだけ出てくる特殊なモンスターを狩って貴重な食糧にしているらしい。
基本的に食材の値段は他の地域よりも高い。そして、保存性の高い作物ばかりを作るから、かなり偏りもあるようだよ。」
僕
「そうなんだ。
苛酷そうですね。」
トマーシュ
「そうだね。
食糧が豊かなパエルモからは想像も出来ない環境なんだろうね。
その環境の苛酷さ故にドバン帝国の侵攻を防いでいる面もあるから、悪いことだけじゃないとは思うけど。」
僕
「なるほどね~。
産業ってどんな感じなんですか?
あんまり盛んな気はしないけど。」
トマーシュ
「鉱山資源や林業が盛んですね。
それに伴って製鉄、武器や防具などの製造も盛んです。
後、変わったところではマジックストーンなんかも名産品ですよ。」
僕
「マジックストーンってなんですか?
魔石の仲間?」
トマーシュ
「ハハハ、
よく似ているよね。
でもモンスターから取れる魔石と違って、周囲の環境の魔力を溜め込んだ石のことなんだよ。
一番有名なのは『永久氷石』かな。
氷のように冷気を放つ石なんだけど、長い時間をかけて溜め込んだ冷気があるから、冷気を永遠に放ち続けるらしいよ。」
僕
「そんな便利な石なら、なんでもっと出回らないんですか?」
トマーシュ
「『永久氷石』は貴重品なんだよ。
一般的なのは『スノーストーン』だね。
冷気を放つんだけど、徐々に冷気を失って、1~2ヵ月経つと、ただの石になるんだよ。
だから、スノーデン王国を出て、他の国に輸出すると、届いた頃にはただの石になっちゃうから、売り物にはならないんだよ。」
僕
「がっかりアイテムなんですね。」
トマーシュ
「昔から、無知な商人が騙されて買ったっていう話をよく聞くね。
どちらかと言うと、知らない物を調べずに買うなという訓話として語られる感じだね。」
僕
「僕も知らなかったら買っちゃいそうですよ。
そう言えば、ツンドラ大陸ってスノーデン王国から近いですよね?」
トマーシュ
「確かに海を渡ればツンドラ大陸に行けると思いますよ。
ただ氷で閉ざされた海を越えるのは大変なことです。しかも辺り一面氷に覆われているため、今いる場所が海の上なのか、陸の上かもわからないそうです。
なので、実際にツンドラ大陸まで渡った人はほとんどいないようですよ。」
僕
「そうなんだ~。
まぁ、ちょっと見学してこようかな。」
トマーシュ
「大変な場所らしいですから、アキラ君も無理をしないようにね。」
僕
「ええ。
軽く散策するだけにします。
面白そうなお土産があったら買ってきますよ。」
トマーシュ
「寒いから風邪を引かないようにね。」
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