商人ギルドという組織

グルラさんに頼まれた商人ギルドの偉いさんとの橋渡し。

僕が知っているのはパエルモのギルドマスター、オリバーさんぐらい。

僕は商人ギルドの会員なんだけど、あんまりギルドに来ないんだよね。細かい手続きとかはコーラル商会のエミルさんにやってもらってるし。とりあえず、行ってみよう。




商人ギルドを訪問するとすぐに応接室に通された。

しばらく待つとオリバーさんが入ってきた。


オリバー

「お久しぶりですね。

珍しいですね、

ギルドにいらっしゃるなんて。

今日はどうしたんですか?」


「ちょっと相談したいことがありまして、、、」


オリバー

「うかがいましょう。」


「ありがとうございます。

あの~、

ジャブル大陸に商人ギルドの支部を増やして欲しいんだけど、誰にお願いすればいいですかね?」


オリバー

「・・・想像のはるか上をいく相談ですね。

ジャブル大陸に支部を増やしたい、目的を教えてもらえますか?」


「ジャブル大陸の百獣会のグルラさんに頼まれたんです。閉鎖的なジャブル大陸に物流網を発展させて、交流を増やしたいらしいです。」


オリバー

「なるほど。

ジャブル大陸の商人に頼まれた訳か、、、

まず、ジャブル大陸に商人ギルドの支部を増やすとなれば、非常に大きな事業です。

私のような地方支部のギルドマスターが口を挟める案件ではありません。

そうですね、、、

グランドマスターに相談するのが一番手っ取り早いでしょう。」


「グランドマスター?」


オリバー

「商人ギルドのボスです。

ギルドマスターを束ねる立場ですね。

今はスノーデン王国の王都にいらっしゃいます。」


「紹介して頂けませんか?」


オリバー

「紹介状は書こう。

だが、相手はグランドマスター、

私は地方支部のギルドマスター、

どの程度、対応してくれるかは未知数だ。

それでもいいかね?」


「もちろんです。

助かります。」


オリバー

「では、紹介状を書くからしばらく待ってくれよ。」


「わかりました。

ありがとうございます。」


オリバーさんが紙やペンを用意して、紹介状を書き始めた。


「でもスノーデン王国なんですね。

意外でした。

ドバン帝国にいるのかな~って思ってたから。」


オリバー

「昔はドバン帝国に本部があったんですよ。

でも、商人ギルドを取り込もうと、当時の皇帝が手を出してきたそうです。

それで、本部としての建物はどこの国にも作らず、ギルドマスターの中から、グランドマスターを選出して、そのグランドマスターがいる支部を便宜上、本部として扱うことになったんです。」


オリバーさんは話しながらも手は止まらず、スラスラと紹介状を書いていく。

オリバーさんが紹介状を封筒に入れて、封をした。


オリバー

「さて、これで完成です。

こちらをスノーデン王国の王都支部で提出してください。

グランドマスターがどのような反応をするのかはわかりませんが、私に出来るのはここまでです。」


「ありがとうございます。

とりあえず行ってみます。」


オリバー

「相手はグランドマスターです。

くれぐれも失礼のないようにお願いしますよ。」


「気をつけます。」


僕は商人ギルドを後にした。




スノーデン王国に向けて出発する前に、まずは情報収集だよね。

こんな時は安定のトマーシュさんだよね。

博識で、いろんな国のことをよく知っている。行き当たりばったりよりも事前情報がある方が絶対いいもんね。


さっそくコーラル商会に顔を出す。

良かった。

トマーシュさん、いたよ。


トマーシュ

「やぁ、いらっしゃい。」


「こんにちは。

突然すいません。

少しだけいいですか?」


トマーシュ

「大丈夫だよ。

どうしたんだい?」


「スノーデン王国について教えて欲しいんだけど。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る