ラーメン屋『満面亭』
ついにオープンの日がやってきました。
最初のお客さんはホンダ公爵とそのご家族。
開店時間に馬車で乗りつけ、入店。
ホンダ公爵は醤油ラーメンを食べてました。
ご家族もそれぞれに注文。
一心不乱に食べて、汁まで完食。
気持ちいい食べっぷりだね。
ホンダ
「アキラよ。
本当に美味しかった。
有難う。」
僕
「楽しんで頂けたなら良かったです。」
ホンダ
「アキラの料理は国王陛下も大変気に入られたのは貴族の間では有名な話だ。
ここで食事をしたがる貴族は沢山いるだろう。どう対応するつもりだ?」
僕
「ラーメンの前ではみんな平等です。
並んで食べる。
それだけです。
基本的には誰も特別扱いはしないつもりです。」
ホンダ
「強気だな。
わかった。
私も並んで食べよう。
他の貴族にはそう言ってもらってかまわない。だが、王族の方々にはさすがにそうはいかんぞ。」
僕
「そうですよね~。
例えば、王族の方にはホンダ公爵に間に入って頂いて、シェフが出向くっていうのはいかがですか?」
ホンダ
「そうだな。
私より上の身分の相手には私を通して調整しよう。格下には私の名前で抑え込もう。」
僕
「ありがとうございます。」
ホンダ公爵の息子さんがキッと睨んできた。
僕より少し年下かな。
まだ幼さが残るけど、精悍な顔立ちだ。
ホンダ息子
「父上、
確かにとても美味しいランチでした。
しかし!
優遇し過ぎではございませんか?」
ホンダ
「ハッハッハッ、
優遇のし過ぎか。
なかなか手厳しいな。
だが、必要な措置だと考えている。
お前もそのうちわかるさ。」
ホンダ息子
「父上。。。
もう少し納得出来るように説明頂けませんか?」
ホンダ
「すべてを話す訳にはいかないが、、、
あのリズムリア王国のアーサー様が唯一、国王の判断に反発し、取り消しを請願したのがアキラの処遇だ。
アキラはそれほど特別な存在なのだよ。」
ホンダ息子
「あのアーサー様が、、、」
僕
「アーサーさんってアカツキ王国でも有名なんですか?」
ホンダ
「アーサー様は今の世界情勢を考える上で、キーマンの1人と考えられている。今回の東西ドバンの戦争でもアーサー様の存在が東ドバンの勝利をもたらしたと言われている。
アーサー様の名を知らなければ世界情勢に疎いと言われるぐらいだぞ。」
僕
「そういえば、アーサーさん、もうすぐ帰還するらしいですよ。パエルモ伯爵から歓迎の食事会をするから料理を提供して欲しいって頼まれたんですよ。」
ホンダ息子
「あのアーサー様とパエルモ卿の食事会!
英傑2人がどんな話をされるのか興味が尽きません。」
僕
「英傑??」
ホンダ
「謀反軍から一夜にして王宮を取り返したからね。その活躍は海を渡ってアカツキ王国でも有名だよ。」
僕
「そうなんだ。
そんな英傑って感じじゃないけどね。」
ホンダ
「前回リズムリア王国を訪れた際にアーサー様とは少し話をしたが、またお会いしたいものだ。」
僕
「じゃあ、船大工を探してもらっているお礼に会食出来ないか、聞いてみましょうか?」
ホンダ
「そう簡単には行けないな。
かなり長期間街を空けることになるからね。
もし、アキラが送迎してくれるなら助かるんだが。」
僕
「まぁ、予定が合えば、送迎しますよ。」
ホンダ息子
「あのアーサー様やパエルモ卿のアポイントを取れる人材ということですか。
確かにリズムリア王国との交易のことを考えれば、特別扱いが必要な人物かもしれませんね。
父上、出過ぎた発言をし、申し訳ございませんでした。」
ホンダ
「フフフ、
確かにアーサー様とのパイプの役割をしてくれるかもしれないが、そんなことは氷山の一角にも満たないことだぞ。」
ホンダ息子
「!?
いったい何者なんですか、この男は?」
ホンダ
「お前もそのうちわかる。
ただ、アキラは私の大切な友人だ。
お前も丁重に接してくれ。」
ホンダ息子
「承知致しました。」
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