グルラの依頼

ジャブル大陸の街ティモン。

そこにある百獣会のリーダー、グルラさんからお願いをされました。


実は時々、百獣会を訪問していました。

ジャブル大陸は広いからね。

継続して野菜や果物の種などを集めてもらっている。


グルラ

「アキラ、ちょっといいか?」


「ええ。

どうしたんですか?」


グルラ

「アキラはいろんなところを飛び回っているから、顔が広いだろ。」


「そこまで顔は広くないですよ。」


文字通り飛び回ってるけどね。

知り合い以外に自分から声をかけられるタイプじゃないからね。


グルラ

「この大陸にとじ込もっている俺らよりマシだろ。

それで、だ。

大型船を造れる船大工と商人ギルドの偉いさんを知らないか?」


「う~ん、、、

どっちも直接は知らないけど、知ってそうな人はいるから聞くことは出来ると思うよ。

でも、何をするの?」


グルラ

「大型船用の造船所を造るつもりなんだ。

大型船を量産することで、ジャブル大陸とハンドル群島の交易を大きく加速させるつもりだ。

だが、ティモンにいる船大工は小型船しか作った経験がない。それを指導出来る人材が欲しいんだ。」


「なるほど。

それで、商人ギルドの偉いさんには何を頼みたいんですか?」


グルラ

「ジャブル大陸に商人ギルドの支部をいくつか作ってもらいたい。

今はこのティモンに1つあるだけだ。

それを何ヵ所かに広げて欲しいんだ。」


「でも、なんで?」


グルラ

「今のジャブル大陸じゃ、商人ギルドのギルドカードなんてほとんど役に立たないんだ。

カードでのお金のやり取りもほぼ皆無。

だから、デカイ取引がなかなか出来ないんだ。」


「わかりました。

力になれるかどうかはわからないけど、話はしてみますよ。」


グルラ

「すまねぇ。

恩にきるぜ。」


ジラン

「同時に出資者も募ってみては?」


ジランさんはグルラさんに仕える獣人だ。


「出資者?」


グルラ

「俺たち百獣会には外貨がほとんどないんだ。なにせ外との取引が少ないからな。

だから、ジランは外貨集めもするべきだと主張しているんだ。」


「その言い方だと、グルラさんは乗り気じゃないんですか?」


グルラ

「ジランの言うことはわかるが、、、

金を出せば、口も出してくる。

後々のことを考えれば、リスクともなりかねない。出来れば避けたいんだ。」


「ふ~ん、

じゃあ、

僕が出資しようか?」


グルラ

「そう言えばアキラも商人だったな。

信用出来る出資者なら大歓迎だ。

ジラン、

後いくら必要だ?」


ジラン

「そうですね。。。

5千万ウォンカあれば十分かと。」


「5千万ウォンカね。

じゃあ、僕が出資するよ。」


グルラ

「なっ!?

ちょっと待て!

5千万ウォンカだぞ!

桁を間違ってないか?」


「最近お金溜め過ぎてたし、

ちょうどいいよ。」


ジラン

「本気、、、なんですね。」


グルラ

「アキラ、お前、どんだけ金持ってるんだよ。」


「う~ん、

たぶん1億ウォンカぐらいなら即決できる感じかな。」


グルラ

「頭がくらくらしてくるな。。。

さすがに5千万ウォンカは出し過ぎだ。

もう少し少ない額で協力してくれないか。」


「もちろん、いくらでも大丈夫ですよ。」


結局、3千万ウォンカぐらいで落ち着きました。最大の出資者となり、今後利益が出るようになれば、その半分くらいは僕に入ってくることになりました。

別に利益は求めていないんだけどね。

でも僕が受け取らないとバランスが崩れるからね。


「じゃあ、

これで本格的に動き出せるかな?」


グルラ

「あぁ。

最高のスタートを切れそうだ。」



百獣会が頑張れば、流通が改善するはずだ。

すぐには効果は出ないだろうけど、閉鎖的だったジャブル大陸が変わっていけば面白いことになるんじゃないかな。


人の流れが激しくなれば、

失われるものもあるだろうけど、

新しいものも生まれてくると思う。


まぁ、そんなにすぐには変わらないだろうけどね。

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