試食会
デジーマに出店するラーメン屋の準備もかなり進んできました。
食器類も購入したし、チーランさんとテーイチさんの個人的な荷物も運び込んだ。
今回の物件は全員が住めるほどの余裕がなかったので、テレサさんとミソラさんはすぐそばに住居を借りている。
今日はデジーマの新店舗にみんな集まって試食会を開催です。
満腹亭、満月亭、ラーメン屋のメンバーが集まっている。
けっこうな人数だね。
満腹亭、満月亭のメンバーはお客さん役。
味を楽しむのと、実践練習を兼ねている。
メニューは3種類。
基本メニュー2つと限定メニュー1つ。
基本メニューは醤油ラーメンと味噌ラーメン。限定メニューは定期的に変更していく。
ちなみにオープニングの限定メニューは貝出汁の塩ラーメン。
基本メニューの醤油ラーメンは鶏ガラベースの淡麗系。澄みきったスープと細麺を楽しんでもらう。
チャーシューは2種類。
トロッとほどけるバラ肉と、肉の味がしっかり感じられる低温調理のロース肉。
メンマは再現出来なかった。
なにせ、原料も加工方法もよくわからない。
なんかの竹だったと思うんだけど、それをどう加工するのかがわからない。この世界じゃ、ネットで調べることも出来ないからね。
とりあえず、姫竹を加工して、それっぽくしている。
後は白ネギと海苔を乗せてある。
味噌ラーメンはガッツリくる味。
野菜とひき肉を炒めて乗せてある。
ひき肉はドラゴンだ。
味噌に旨味をプラスしてくれている。
濃厚でパンチ力のあるスープだ。
麺は全粒粉を使用した太麺。
スープに負けない存在感です。
こちらは味玉あり。
トロトロでたまらない。
この2種類は常に食べられる。
そこに限定メニューをプラスしている。
今回は貝出汁の塩ラーメンだったけど、
とんこつラーメンや担々麺、トマト系や煮干系など、色々出す予定。
チーランさんはアイデアが溢れて止まらないって言ってたね。
お店で一番難しかったのが匂いだ。
これから、色々なメニューを出していく。
でも、例えば豚骨をガンガンに炊けば、店の中が完全に豚骨臭に支配されてしまう。
それはそれでいい匂いなんだけど、醤油ラーメンとかの繊細な香りが感じにくくなってしまう。
そこで、厨房と客席に結界を張ったんだ。
匂いだけを防ぐ結界です。
匂い、と言うか厨房の空気は店内を通らずに店の外に排出される。
もちろん、店内にはラーメンがいっぱいある訳だから、匂いはするよ。
換気は店内もしているけどね。
リィズ
「とても美味しいです。
鶏の旨味がダイレクトに感じられます。」
フィオ
「味噌ラーメンもインパクトはあるのに、食べ飽きない味です。」
モルト
「中毒性のある味ですね。
また食べたくなる味です。」
味の評価はばっちり。
うちの料理人たちの太鼓判。
店内の動きや客のさばき方などは要改善なポイントがいくつかあった。
お厨房とフロアのコミュニケーションなどはこれから改善が必要だ。
まだオープンまで時間はある。
しっかりと練習をしていこう。
チーラン
「ありがとうございます。
オープンに向けての課題も見えてきました。」
テーイチ
「親父はスピード感が足りねぇんだよ。
もっとテンポ良く作っていかないと。」
チーラン
「確かにスピード感も大切でしょうが、そのためにクオリティーが下がっては本末転倒です。たった1杯のミスでも、それを食べるお客さんにとっては、それが全てなのですから。」
僕
「そうだね。
待たせてしまうのは心苦しいけど、仕事は丁寧にやっていきましょう。」
よくあるよね。
人気のお店で味が落ちるパターン。
前に人気のつけ麺屋に行ったら、麺の締め方が全然でぬめりがあるは生ぬるいはで、最悪だったことがあった。
そういうことがあると店を嫌いになっちゃうよね。
ついでに言うと、当面はつけ麺には手を出さないつもり。
茹で時間が延びるし、まずは美味しいラーメンを広めることに集中したい。
つけ麺はもっと先かな。
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