アルバン奪還作戦

この5人組。

ただのごろつきじゃないね。

明らかに訓練を受けた人間の動きだ。

連携して僕を殺そうとしている。


まぁ、負ける訳ないんだけどね。

リーダーっぽい男以外は全員眠らせる。


バタバタと倒れる4人。


ガラの悪い男

「貴様!

何を・・・。」


僕には操人スキルがある。

ベルが使ってたスキルだ。

当然、僕も使えるようになっている。


「所属と名前、今の作戦を言え。」


ガラの悪い男

「ドバン帝国、第4騎士団所属、マディソン。

新生ドバン王国に反発する勢力を秘密裏にまとめあげ、アルバンを奪還する計画です。」


これ、ヤバい情報じゃん。

どうしよう?


「計画の進捗を教えて。」


マディソン

「順調だ。既に当初計画していた人数は確保出来ている。

後は、多国籍軍がカルマールと合流し、配置についたタイミングで計画を決行する。

そうすれば、退路を絶たれた多国籍軍は持ち場を捨てて、アルバンの突破を目指すはずだ。

いきなり背後をひっくり返され、頼みの多国籍軍にも見捨てられたカルマールなど簡単に討ち取れる。」


これ、ヤバいな。

今回の東ドバンへの援軍は確かアーサーさんが指揮してたはず。

とりあえず、教えてあげた方がいいよね。


このマディソンたちは解放しておこう。

もちろん、僕との記憶は消しておく。

変に人が消えた方が騒ぎになりそうだし。



急いでミソラさんの実家に行く。


「こんにちは。」


ミソラ母

「あら、こんにちは。

ミソラ~、

アキラさんがいらっしゃったわよ。」


ミソラ

「は~い。

すいません、1泊させてもらって。

ありがとうございました。」


「ゆっくりできた?」


ミソラ

「はい。

いっぱい話が出来ました。」


「ごめん。

実はちょっと緊急事態なんだ。

パエルモに戻ってもいいかな?」


ミソラ

「もちろんです。

私のわがままに付き合っていただいて有難うございました。」


ミソラ母

「みんな~!

ミソラが帰るわよ!」


ミソラさんのお母さんが家族を全員呼んだ。


ミヨコ

「ミソラ、元気でね。」


ミソラ父

「アキラさん、

ミソラのこと、宜しくお願いします。」


「もちろんです。」


ミソラ

「じゃあ、

行ってくるね。

アキラ様、お願いします。」


「わかった。

また里帰りの機会は作るから心配しないで。

今度は尾道ラーメンでも作ろうかな。」


ミヨコ

「楽しみにしとくよ。」


「じゃあ行くよ。」


ミソラ

「じゃあね。

バイバイ。」


僕はリターンポイントを発動。

一瞬でパエルモに戻る。


ミソラ

「ありがとうございました。

でも、緊急事態って何があったんですか?」


「西ドバンがアルバン奪還の作戦を秘密裏に進めていたんだ。」


ミソラ

「えっ!?

それって大事件じゃないですか!

でも、なんでアキラ様がご存知なんですか?」


「たまたまだよ。

とりあえず、アーサーさんに伝えに行くから、みんなに事情を説明しといて。」


ミソラ

「わかりました。

お気をつけて。」



とりあえず、ミソラさんをパエルモに残して、僕は出発。

アーサーさんはもうアルバンを通過した頃かな。本当はチェスターから直接向かった方が速いんだけど、ミソラさんを連れて行く訳にはいかない。

戦場になるかもしれないから危ないもんね。


僕は飛行魔法でぶっ飛ばして行く。

確か、聞いた話だと東ドバンへの援軍はバレティアで合流して、合流してから東ドバンに入っていくはずだ。

ジプート連邦やスノーデン王国のような帝国に隣接する大国は参加していない。

いくつかの中小国家の連合軍だ。


ほどほどの規模にはなっているはず。

バレティアから街道に沿って飛んで行けば見つけられるでしょ。


伝えるだけ伝えたら、帰ろう。

戦争に直接参加するつもりはないからね。

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