ミソラの里帰り
デジーマで改装工事をしていた店舗が完成したとの連絡が入りました。
もちろん、改装工事が終わったからってすぐにお店がスタート出来る訳じゃない。
他にも準備することはたくさんあるからね。
そんな時、
ミソラ
「アキラ様、お願いがあるんです。」
僕
「ん?どうしたんですか?」
ミソラ
「アカツキ大陸に渡る前に両親や祖父母に私が無事だって伝えたいんです。
冒険者ギルドか商人ギルドに連絡の橋渡しをお願い出来ませんか?」
この世界では連絡手段が限られている。
一般的に急ぐ長距離連絡は鳥だ。
伝書鳩みたいなイメージ。
でも送れる文字数が少ない。
次はギルド便への同乗。
ギルドの支部間は定期的に荷物の運搬を行っている。そこに乗せてもらうのだ。
時間はかかるが比較的安価に済む。
急ぐ場合は個別依頼。
冒険者に運んでもらうのだ。
お金はかかるが早い。
ミソラさんは一応奴隷なので勝手なことは出来ないから、雇用主である僕にお伺いをたてている訳だ。
僕
「確かミソラさんの故郷って東ドバンだったよね。」
ミソラ
「はい。
今は東ドバンに組み込まれているはずです。」
東ドバン建国のタイミングでミソラさんは奴隷になっているので、細かい事情はわからないらしい。
僕
「じゃあ、行っちゃう?
顔出した方がみんな安心するでしょ。」
ミソラ
「えっ!?
いいんですか?
遠いですよ。」
僕
「僕のスピードなら、そんなに日数はかからないでしょ。」
ミソラ
「ありがとうございます!」
僕
「テレサさんはいいの?
ついでだから寄れるよ。」
テレサ
「私は大丈夫です。
会うべき相手もいないので。
アイラ様にお会い出来ただけで十分です。」
僕
「了解。
じゃあ、明日出発しようか。」
ミソラ
「ありがとうございます。」
深々と頭を下げるミソラさん。
まぁ、前々から話題に出てた異世界人の祖母っていうのにも興味があったからね。
チェスター
東ドバンに所属する地方都市。
リズムリア王国と接するアルバンから北西方向にかなり行った場所にある。
のどかで歴史のある地方の街って感じ。
古くて大きな建物がいくつかある。
規模的にはそこまで大きくないかな。
僕とミソラさんは飛行魔法で飛んできました。そして、街の外に着陸。
歩いて街に入ります。
今日は2人とも冒険者スタイル。
どんな街にも馴染みやすいからね。
ミソラ
「本当にアキラ様の飛行魔法は便利ですね。
馬車ならまだバレティアにも着いてないですよ。」
僕
「もう馬車には乗れない体になっちゃったよ。これでも、もっと速く移動する方法考えたりしているからね。」
ミソラ
「アキラ様のところにいると常識が壊れていきそうです。
あっ、街の門が見えてきましたね。」
街の門では出入りの手続きがある。
まぁ、僕はBランク商人で信頼があるので、よほどのことがない限り、形式的にササッと終わる。
ミソラ
「こちらです。」
ミソラさんの案内で街を進んでいく。
後で市場とかも案内してもらおうかな。
ミソラ
「ここです。」
普通の一軒家。
でも一軒家に住んでいるってことは貧しくはないってところかな。
ミソラ
「ただいま~!」
おばさん
「ミソラ!
良かった!
無事だったのね!」
バタバタバタバタバタバタ
おじさんが駆けつけてきた。
おじさん
「ミソラ!
心配したんだぞ!
お前の参加していた部隊が降伏したって聞いて!
良かった!」
両親かな?
ミソラさんを抱きしめながら涙を流してる。
ミソラ
「ごめんなさい。
心配かけて。
大丈夫。
私は無事だから。
ちょっとお客さんもいるから中に入っていい?」
ミソラさんが僕を示す。
ご両親も慌てて一礼して僕たちを家に招き入れてくれた。
家に入ると、
おばあさん
「ミソラ!
あんた、帰ってこられたんだね!」
おじいさん
「良かった!
本当に良かった!」
祖父母からも抱きしめられてました。
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