試作品完成
結論だけ言うと、
えらいこっちゃ、です。
従魔たちも頑張ってくれたんで、低層階のモンスター素材がおそろしい量、手に入りました。
更に僕が倒すとドロップアイテムも必ず出るので、そちらも大量です。
その山のような素材から良さそうなのが見つかりました。
ビックプリン。
食べ物じゃないよ。モンスターの名前です。
プルプルした体のスライムに近いモンスター。その体には高い吸水性がありました。
乾燥すると小さく干からびて、水を吸い込むと大きくなる。
そんな素材です。
使い捨ての紙オムツに良さそうだけど、まだ、この世界では使い捨てはほど遠い。
物流や加工面でコストがかかり過ぎるからね。
ビックプリンの体から不要な部分を取り除けば準備完成。
それともう1つ。
デザートゴースト。
これもモンスター。
ゴーストタイプのモンスターで相手を干からびさせる攻撃をしてくる。
このモンスターの魔石から速乾の効果が取り出せた。
ビックプリンの体に速乾を付与。
すると、みるみる乾燥して干からびていく。
これを小さくカットしていく。
カットした物を小さな袋に入れて、この袋をオムツの中に入れるという方法を採用。
試作品が完成したので、マヘリアさんのところに持っていこう。
すぐにコーラル商会を訪問。
マヘリア
「なるほど。
確かにこれなら大量生産出来るかも。
まずはうちの子で試していいかしら?」
僕
「もちろん。試作品をいくつか持ってきたから、イリーナさん含めて試してみて。」
マヘリア
「わかった。
数日後にまた来てくれる。
使った感想を伝えるわ。」
僕
「わかりました。」
数日後。
マヘリアさんとイリーナさんが待っていた。
マヘリア
「凄い発明ね。
多少の改良は必要だけど、ほぼ販売出来る完成度よ。」
イリーナ
「前回、作って頂いた布オムツに比べれば性能は落ちますが、十分実用に耐えうる性能でした。」
僕
「そりゃ良かった。」
マヘリア
「これを本格的に生産しようと考えているけど、いい?」
僕
「どうぞ。」
イリーナ
「こちらとしては有難いんですが、もう少し真剣に考えてください。
大きな利権が発生するかもしれない新規事業ですよ。」
僕
「別にお金に困ってないし、
育児の助けになればいいな~、ぐらいの気持ちで作った物だからね。」
マヘリア
「じゃあ、売上の5パーセントをアキラ君にバックする。そういう契約でどう?」
僕
「そんなに貰っちゃっていいの?」
マヘリア
「もちろんよ。
と言うか、売価を低く設定したいから、アキラ君の取り分を減らしたぐらいよ。
本当なら10パーセントぐらい渡したかったぐらいなんだから。」
僕
「マヘリアさんがいいなら、
それでいいよ。」
これから職人や設備なんかを手配するらしい。それと僕のマジックバックに大量に素材があることは伝えた。
当面は冒険者ギルドからと僕から半々で購入するらしい。
冒険者ギルドに売れると思わせた方が、採取量が増えるんだとか。
価格についてはこれから設定するらしいけど、少しお金に余裕のある家庭なら買えるような価格設定を目指しているんだとか。
まぁ、僕が関わるのはここまで。
ここからはプロにお任せだね。
これがきっかけで育児用品が少しでも発達すればいいかな。
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後日談だけど、凄い売れました。
爆発的な大ヒット。
すぐに供給が追いつかなくなるぐらい。
リズムリア王国では人気の育児用品になりました。まだまだ金持ちしか買えないけどね。
一度この便利さを覚えると普通の布オムツには戻れないみたい。
それに赤ちゃんの反応も良かったみたい。
ちなみに、
膨大な利益が僕にも入ってきました。
売上の5パーセントってバカに出来ないね。
利益の5パーセントとは段違い。
しかも原料の半分も僕からの購入になるから、ダブルで利益になりました。
お金が溜まり過ぎるね~。
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