オムツの革命

「あっ、これ、うんちは対応出来ないから、ちゃんと洗ってあげてね。

もちろん、洗った後はすぐに乾くから、すぐに使えると思うけど。」


マヘリア

「育児の概念が変わるわね。

おそろしく便利よ。」


イリーナ

「ですが、先ほど使用していたモンスターの素材、見たことのないものです。

おそらく、市場に流せないランクのモンスターでしょう。

量産は出来ませんね。」


「僕なら多少作れるけど?」


マヘリア

「アキラ君しか作れない、材料を集められない、それだと市場に広まらないの。

この便利なオムツを広げるには多少高価でも、誰でも用意できることが大切なの。」


イリーナ

「例えば、ダンジョンの20階ぐらいまでに手に入る素材で、一定以上のレベルの職人なら作成出来る。

それぐらいなら、多少高価でも市場を変革させられると思います。」


「なるほどね~。

今度メリルさんに相談してみます。」


マヘリア

「メリルさん?

あまり聞かない名前だけど?」


「ガンズ工房の副棟梁です。

こういう特殊効果を抜き出すような作業のスペシャリストですよ。」


イリーナ

「出来ればカーメルのダンジョンではなく、ヒルギスのダンジョンの素材で検討して頂くと有難いです。」


マヘリア

「確かにヒルギスの素材の方が手に入りやすいものね。ヒルギスの素材をパエルモで加工して流通させるのが理想的ね。」


「じゃあ、ヒルギスで手に入る素材を洗い直してみようかな。暇な時にダンジョンに行ってみますよ。」


マヘリア

「くれぐれも深い階層の素材はやめてね。」



なんか、予想外の方向に話が進んでいるね。

でも面白そうだから、いいかな。

それに育児の助けになるならいいよね。


その後、みんなでワイワイ話をして、この日は解散となりました。


そして、数日後。

フルトのガンズ工房を訪問。

僕もガンズ工房では有名人だからね。

すぐに対応してくれる。


ミトンさんが出てきて、ガンズさんの部屋まで案内してくれた。

今回はメリルさんに用事なんだけどね。


ガンズ

「おお。

久しぶりだな。

今日はメリルに用があるみたいだが、どうしたんだ?」


「これを見てもらっていいですか?」


僕は付与した布オムツを差し出す。


メリル

「普通の布ですね。

速乾と吸水が付与。

かなり特殊な付与ですね。」


ガンズ

「速乾と吸水か。

夏場の服としては使えるかもな。

だが、高価になるから一般向けには難しいな。」


「実はこれ、布オムツなんです。

これを量産する方法を考えたくて相談に来ました。」


メリル

「あの赤ん坊が使うオムツですか、、、

あまり高価過ぎては実用化出来ませんね。」


「そうなんです。

簡単に手に入る素材で、普通の人でも頑張れば買えるぐらいの値段にしたいんだ。」


メリル

「そうですね。

まずは付与する布を切る前の大きな布にしましょう。効果は薄まりますが原価は大きく落とせます。

それから、、、

吸水と速乾。

どちらかを元々持っている素材に、持っていない効果を付与するのがいいかもしれませんね。技術的にも簡単になりますし、原料費的にも低減が見込めます。」


「なるほど~。

確かに。」


ガンズ

「それと効果をもう少し弱めないと安価には無理だな。

付与効果のグレードを下げないと仕方ないだろう。

実用性と価格。

妥協点を探る必要があるな。」


「ありがとうございます。

参考になりました。」


ガンズ工房を出る前にいろんな素材を売っていく。一般の市場には流せない、ちょっと良い素材。ガンズさんなら加工できるし、ガンズ工房から出たら、みんな納得するらしい。


金属のインゴット中心にいくつか売却。

僕としてはサービスのつもりだけど、金額的には300万ウォンカを超える売却益が出ている。




翌日。

ヒルギスのダンジョンに従魔たちと突入。

今日は1階から28階を手分けしてモンスターの素材を集めまくる。

僕、ガウ、リン、ドラ、ハナ、ゲコ、ベル。

1人4階分を担当して素材集めだ。


僕は25階から28階。

モンスターは弱い。

とりあえずモンスター素材の種類と数が大切だ。

集めまくるぞ。

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