ダンジョン攻略法

「お腹も膨らんだし、出発しますか。」


テーイチさんもチーランさんも剣士タイプ。

2人とも長剣を装備している。


まずは32階からスタート。


テーイチ

「ここまでは入ったことがあるみたいだな。」


チーラン

「アキラさんは非常識だが嘘はつかない。」


ん?

褒めて、、、る?


まぁ、いいや。

僕は結界で3人を包み、高速飛行を開始した。


テーイチ

「なっ!?

なんなんだ!?」


チーラン

「ダンジョン内でもこんなに速いなんて。」




夕方には45階に到着しました。

そこでダンジョンを脱出。

テレサさんとミソラさんは20階まで行ったみたい。

テーイチさんの家で5人で食べることになりました。

メニューは串揚げ。

某串揚げチェーンと同じく、揚げる前の串を大量に用意して、食べる人が揚げるシステム。やっぱり熱々の串揚げは最高に美味しいよね。


テーイチ

「信じられない、、、

悪い夢を見ていた気分だ、、、」


チーラン

「広い結界に守られながらの高速飛行。

当たったモンスターは瞬殺。

各フロアのボスも現れた瞬間に即死。

ただ座っていただけで、

10階以上移動していた。」


テレサ

「そちらも異常だったみたいね、、、」


ミソラ

「モンスターに掴まれ高速飛行して、

夕方には20階に到着。

麻痺したり、眠らされたり、縛られたりしたモンスターを倒すだけで連続レベルアップ。」


テレサ

「レベル上げの概念が壊れていく、、、」


ミソラ

「アキラ様の従魔ってどんだけ強いの?」


「けっこう強いよ。」


チーラン

「従魔の1体、ベルゼブブはかつて、この大陸全土を混乱におとしめた存在ですからね。」


テーイチ

「ベルゼブブを従魔にしたって聞いた時は嘘だと思ったけど、今日の状況を見れば信じられるな。」


テレサ

「他の従魔もそのベルゼブブと同等なのか?」


「そうだね。

そんなに変わらないんじゃないかな。

みんな強いよ。」


ミソラ

「その気になれば従魔だけで帝国軍を滅ぼせるんじゃない?」


「『出来る』と『やりたい』は別だからね。

そりゃ、たぶんだけど、ガウだけでも帝国軍を瓦解させることは出来ると思うよ。

一般兵だと、ガウが駆け抜けた余波だけで死んじゃうと思うし。」


ミソラ

「なんか、凄過ぎて頭が追いつかない。」


テレサ

「ああ、常識が遠い過去のものになっていく気分だ。」


「まぁ、徐々に慣れていってよ。

たぶん後3日か4日でテーイチさんを最深部まで連れて行けると思うから、明日、テレサさんたちは、15階ぐらい移動して、レベル上げって感じでいいかな。」


テレサ

「・・・わかった。」


ミソラ

「普通のこと、みたいに言ってるけど、全然普通じゃないからね。」




それから3日後。


「遅い時間になっちゃったね。

ここがダンジョン最深部だよ。」


テーイチ

「これが、、、最深部、、、」


チーラン

「何もないんですね。」


「本当はダンジョンボスがいるんだけど、もう倒したからね。

たぶん、ボスを倒した僕と一緒にいるから出てこないんだと思う。

チーランさんとテーイチさんだけで来たら、ボスが出てくるかもしれないから、止めた方がいいよ。」


チーラン

「もちろん来ませんよ。」


テーイチ

「どんなボスだったんだ?」


「山みたいに大きいモンスターだったよ。

体からいっぱいドラゴンがはえてくるから、倒すのは面倒くさいよ。」


テーイチ

「体からドラゴンが、、、

想像すら出来ないな。」


「最深部まで来られたし、満足出来た?」


テーイチ

「・・・満足じゃ、、、ないな。

なんて言うか、、、

思ってた攻略とは全然違うし。

ただ、諦めはついたよ。

以前はレベルを上げて強くなっているって思っていた。いずれは偉業を成し遂げるぐらいに強くなれると思っていた。

でも、努力とか、そういう次元じゃないってことは痛感出来た。

それに、、、

ここ数日、

食べたメシは最高に美味しかった。

少し前に親父が作ってた料理とは全然違ってた。

感動するぐらいに旨かった。

俺も作ってみたいって、素直に思えるぐらいにね。」

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