テーイチ

僕とチーランさんだけになって、

エルフの里に入っていく。


チーラン

「ここがテーイチの家です。」


「同居じゃないんですね。」


チーラン

「10年前に1人暮らしをしたいと言い出しまして。」


うーん、

チーランさんの家のすぐそばなんだよね。

これって意味あるの?


チーラン

「テーイチ、いるか?」


チーランさんが声をかけながら、勝手にドアを開ける。


テーイチ

「勝手に入ってくるなよ。

それに里を出たんじゃねぇのかよ。

何してんだよ?」


チーラン

「今はこちらのアキラさんのところでお世話になっているんだ。

テーイチ、お前も来い。」


テーイチ

「ちょっと待てよ!

俺は行かねえぞ!

どうせ、料理作ってるんだろ。」


チーラン

「どうせとはなんだ。

料理の奥は深い。

アキラさんとともに行って私は世界の大きさを初めて知った。

テーイチ、お前もアキラさんのところで学ぶんだ。」


テーイチ

「うるせぇよ。

俺はこの剣の道を極めるんだ。

邪魔するなよ。」


チーラン

「剣など、多少強くなっても限界をすぐに知ることになる。

多少の嗜み程度で十分だ。」


テーイチ

「俺は世界最強になるんだ!

邪魔するなよな。」


チーラン

「お前はまだ60歳だ。

世間が見えていないだけだ。

もう少し大人になれば私の言葉に従うべきだと理解出来るだろう。」


テーイチ

「俺はもう大人だ!」


反抗期のような60歳。

なかなかシュールだね。

しかも、2人とも美形。

なんか、見ていて変な感じだね。


「あの~。」


テーイチ

「なんだよ!」


チーラン

「なんだ、その口のきき方は!

アキラさんは里をベルゼブブから救った英雄だぞ。」


テーイチ

「あんたが、、、

見えないな。」


チーラン

「無礼が過ぎるぞ。」


テーイチ

「本当のことを言ったまでだろ。」


「まぁ、いいよ。

それよりも、強くなりたいんでしょ?

強くなったら満足する?」


テーイチ

「ふん、

わかってないな。

強さには果てがないんだよ。

簡単に満足なんてしねぇよ。」


「え、じゃあ、一生ダンジョンに入り続けるの?」


テーイチ

「そうだな、、、

最深部まで行ったら満足するよ。」


チーラン

「ダンジョンの最深部など、行けるはずないだろう。」


「ダンジョンの最深部に行くだけなら数日あれば行けるよ。」


チーラン・テーイチ

「「えっ!?」」


「テーイチさんは何階まで行ったことあるの?」


テーイチ

「32階だ」


「なら、4日もあれば十分だよ。」


チーラン

「アキラさんは最深部まで行ったことがあるんですか!?」


「あるよ。

どのダンジョンも100階までだよ。

残り70階ちょっとなら4日もかからないよ。」


テーイチ

「ふ、ふざけているのか?

あり得ないだろ、

ダンジョンは30階を過ぎたら、1階更新するのも数日はかかるのが当たり前だぞ。」


「いいよ別に。

体験してみればわかるから。」


チーラン

「申し訳ございません。

私も同行させてもらってもいいですか?」


「大丈夫ですよ。

1人連れていくのも、2人連れていくのも一緒だから。

じゃあ、時間も中途半端だし、昼ごはん食べてから出発しましょうか。」


チーラン

「昼ごはんは何にしますか?」


「カレーの気分かな。」


チーラン

「では、すぐに用意しますね。

この前作ったビーフカレーがあるはずですので。」


テーイチさんのお家で3人でカレーランチ。

美味しいね。

欧風ビーフカレー。

ゴロゴロの具、

お肉は大きいのにとろけてる。

スパイシーと言うよりもマイルドで旨味が強い。


テーイチ

「旨い!

こんな旨いメシ初めてだ!」


チーラン

「そうだろう。

これが料理の素晴らしさだ。」


テーイチ

「いちいちうるせぇよ。」


そんなことを言いながらテーイチさん、おかわりしてました。

美味しかったんだね。

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