久しぶりのハモンドさん

お店の準備は開始した。

次は人材確保だね。

僕の求人と言えば奴隷購入。

定番のアルバンのハモンド商会を訪問した。


ハモンド

「お久しぶりです。

以前購入頂いた奴隷たちは元気にしておりますか?」


「おかげさまで。

みんな、よく働いてくれてますよ。」


ハモンド

「それは良かった。

それで、今日はどのような奴隷をお探しですか?」


「飲食店の店員兼護衛。

どちらかと言うと店員の役割重視って感じです。」


ハモンド

「なるほどですね。

承知致しました。

今は良いタイミングですよ。

奴隷市場が買い手市場になっているので、安くて優秀な人材を購入しやすくなっていますよ。」


「そうなんですか?」


ハモンド

「今、帝国が2つに分かれて争っているでしょう。その結果、捕まって奴隷として売られるケースが増えているんですよ。

ここアルバンでは、西ドバン陣営だった人たちが、よく売られているんですよ。」


こんなところにも影響が出ているんだね。

ドバン帝国がレギン陣営とカルマール陣営に分裂した。

正式には、

ドバン帝国と新生ドバン王国だけど、

西ドバン、東ドバンって言ったり、

旧ドバン、新ドバンって言ったり、

人によって呼び方はバラバラだけど、だいたいわかる。

大きな戦いにはならず、今は膠着状態だ。


ハモンド

「では、オススメを連れて参ります。

何名ほど購入予定ですか?」


「2人ぐらいかな。」


ハモンド

「承知しました。

少々お待ちください。」





ハモンド

「お待たせ致しました。」


ずらっと8人の女性が並ぶ。


ハモンド

「アキラ様のご意向に合わせた5名です。

順番に紹介致しますね。」


「宜しくお願いします。」


難しい。

8人の紹介を聞きました。

全員、元軍人、レベルや職業の差はあるけど、それほど大きな差はない。全員戦闘職だったし。

どうせ、多少はレベル上げするから今の差は意味がない。


奴隷になった経緯も戦いに負けたり、所属している貴族が裏切ったり、色々あったけど、ほとんど本人に責任はない。



どうしよう?

企業の人事担当者はどうやって決めているんだろう?

僕には甲乙つけるほどの違いがわからない。


・・・顔の好みだな。

それしかない。

最低って言われそうだけど、一緒に働くなら可愛い娘の方がいいに決まってるよね。


どストライクってほどじゃないよ。

なにせ、うちの従業員たちは可愛い。

元々の素材も良かったんだろうし、今の環境も良い。スキンケアや髪のトリートメント、着ている洋服、全て、高位貴族並だからね。

それと奴隷の彼女たちを比較して、うちの従業員たちに勝てる訳がない。


まぁ8人の中ならこの娘かな。

ぐらいの軽い感覚で決定。

テレサさんとミソラさん。

年齢的にはテレサさんがちょっとだけ年上かな。ミソラさんは同い年ぐらい。


テレサさんは銀髪が特徴的。

スレンダーでクールな美人さん。

でも武器は斧。斧使いだからね。

けっこうパワーファイターなんだよね。


ミソラさんは黒髪ショート。

けっこう日本人的な顔つき。

大学にいてもおかしくない感じ。

親しみやすい顔って言うのかな。

双剣士という二刀流で戦う剣士だ。


2人と契約を交わして引き渡される。


「ありがとうございました。」


ハモンド

「こちらこそ。

今後ともご贔屓に。」


ハモンド商会を出た後。


「改めまして、

アキラと申します。

これから宜しくお願いします。」


テレサ

「私たちは何をすればいいの?」


「僕の飲食店でフロアスタッフとして働いてもらいます。今度、新規に出店する予定だから、そのための増員です。」


ミソラ

「いかがわしいサービスとか、、、」


「そういうのはないですよ。

以前、うちの店員に手を出そうとした客は叩き出されましたから。」


ミソラ

「良かった~。」


「とりあえず僕のお店に行きましょうか。」

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