誰の為の店
オオクボ
「デジーマは治安の良い街です。
ですが、アキラ様は国王陛下が絶賛された料理人です。周辺の貴族、情報に敏い商人などが集まってくるのは間違いございません。
その時の対応がやりやすい場所を選んでおります。」
僕
「理解は出来ましたけど、、、
それでも、庶民的な場所に、庶民的な雰囲気のお店にしたいんです。
僕が作りたいのは貴族の為のお店じゃないんです。」
オオクボ
「・・・わかりました。
ご希望に沿える場所をご紹介致します。」
そこからは飲食店街とかを案内してくれました。
僕
「ここ、いい感じですね。」
飲食店街の外れ、少しさびれた感じ。
前は居酒屋だったのかな。
広さも十分。
地下あり、地上2階建て。
多少改装は必要だけど、
まぁ、問題ないね。
チーラン
「キッチンの設備は整えたいですね。
少し物足りない設備です。
それと、この広さなら2、3人は従業員が必要でしょう。」
オオクボ
「本当にここにされるんですか?
もっと良い物件もありますよ。」
僕
「飲食店街の端っこだから、
多少行列が出来ても迷惑かからないし、
地下も広いし、
2階は住居に使えるし、
少し古いけど、改装すれば問題ないレベルです。」
オオクボ
「わかりました。
ホンダ公爵様にも、アキラ様のご意向に沿うように言われております。
ここで手続きを進めますね。」
僕
「値段はどれぐらいですか?」
オオクボ
「無料です。
ホンダ公爵様から、希望された土地と建物はアキラ様に無料で差し上げるように指示を受けております。」
僕
「さすがに申し訳ないですよ。」
オオクボ
「申し訳ございません。
私も勝手にお金を受けとることは出来ません。後ほど、ホンダ公爵様とご相談ください。」
僕
「わかりました。」
さすがに、土地と建物をタダで受けとることは出来ないよ。
高額過ぎるもん。
気軽に貰えないよ。
・・・結局、
ホンダ公爵からタダでもらいました。
さすがに領主様。
改装は僕の実費です。
どんな店の雰囲気にしようかな。
改装業者はホンダ公爵のお抱えの業者を斡旋してもらいました。
デッサンとか書いてくれたので、イメージしやすいね。
雰囲気は町中華風。
レトロな落ち着いた感じ。
キッチンは広げて調理しやすいように。
チーラン
「食器なども用意する必要がありますね。」
僕
「今度一緒に仕入れに行きましょう。」
チーラン
「それと、従業員を雇う話ですが、1人お願いしたい相手がいるんですが。」
僕
「チーランさんのお知り合いですか?
別にかまいませんけど。」
チーラン
「ありがとうございます。
息子のテーイチです。
まだまだ未熟者ですので、近くに置いて、教育したいんです。」
僕
「えっ!?
チーランさんって息子さんいたの!」
チーラン
「いますよ。
言ってませんでしたっけ?」
僕
「聞いてませんよ!
エルフの里にいるんですか?」
チーラン
「いますよ。
まだまだ60歳の子どもですが。」
60歳の子どもって言葉がエルフっぽいね。
僕
「ちなみに、チーランさんの奥さんって?」
チーラン
「おりますよ。
ただ放浪癖がありまして、フラッと出て行って20~30年帰って来ないような人です。
今もどこにいるのかわかりませんね。」
20~30年帰って来ないって何?
ちょっとした旅行みたいな感覚?
それで平然としているチーランさんも僕からしたらびっくりなんだけど。
僕
「凄まじいですね。。。
息子さんですもんね。
チーランさんのご家族なら、雇っても問題ないと思いますよ。」
チーラン
「ありがとうございます。
では、後日迎えに行きましょう。」
僕
「他にも2人ぐらいは必要ですよね?」
チーラン
「そうですね。
お願いしたいです。」
僕
「わかりました。探してみます。」
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