物件探し

「こんにちは。」


ホンダ

「ああ、今日はどうしたんだ?」


チーランさんと店の方向性も決めたので、ホンダ公爵に報告に来ました。


「前におっしゃってた新規出店の件を本格的に進めようと思って。」


ホンダ

「早いな。

もう準備が出来たのか?」


「いえいえ、

まだ準備はこれからです。

でも料理人と店のコンセプトは決まりました。」


ホンダ

「どんな店にするつもりなんだ?」


「ラーメン屋です。」


ホンダ

「ラーメン屋!?

ラーメンの専門店ということか?」


「そうですけど、何か問題ありますか?」


ホンダ

「いや、、、問題は無い。

ただ、ラーメンと言えば、安くて手軽な食べ物だからな。ちょっとイメージと違っただけだ。私のイメージではコース料理を出すと思っていただけだ。」


「高級店は既にやっているので、今回はコンセプトを変えてます。

あんまり値段を高くするつもりはないけど、味はこだわるつもりですよ。」


ホンダ

「そうだな。

アキラの作るラーメン。

おそらく美味しいんだろうな。」


「楽しみ待っていてください。」


ホンダ

「そうさせてもらうよ。

ところで、

店の場所はもう決めているのか?」


「そこを相談したて、今日は来たんです。」


ホンダ

「店の候補地をピックアップさせよう。

何か希望はあるか?」


「そうですね。

お客さん15~16人ぐらいまでの大きさにしたいですね。もう少し小さくてもいいかも。あまり大き過ぎると対応出来ないんで。

地下に食糧庫が十分な広さ欲しいです。」


ホンダ

「わかった。

すぐに調べさせよう。

そうだな、、、10日後に来てくれるか?

内見出来るように手配しておこう。」


「ありがとうございます。

じゃあ、また10日後に来ますね。」


ホンダ公爵はこの街の領主様だからね。

領主様が物件探してくれるんだから、間違いないよね。

良い物件が空いてたらいいんだけど。





そして10日後。

僕はチーランさんを連れてホンダ公爵のお屋敷を訪れた。


ホンダ

「よく来たな。

こちらにいるオオクボが物件を案内する。

なんでも聞いてくれ。」


「ありがとうございます。

こちらがお店で料理を担当するチーランさんです。

宜しくお願いします。」


ホンダ

「先日のパーティーにも来ていたエルフだな。宜しく頼む。」


チーラン

「こちらこそ。」


チーランさんが握手を求め、ホンダ公爵が応じる。

チーランさんは堂々としてるね。

相手が誰でもビビらない。

エルフって凄いよね。



僕らはオオクボさんの案内で物件を見てまわることになりました。


お屋敷の前には馬車が停まっている。

ホンダ公爵の紋章がドーンと書かれた馬車。

この街だと最強の乗り物だと思います。


ん?

まさかのスルー?


オオクボ

「最初の物件はこちらです。」


「えっ?

目の前?」


オオクボ

「はい。

デジーマの街の中心部、一等地ですね。」


本当にホンダ公爵のお屋敷と目と鼻の先。


チーラン

「少し狭いですね。」


オオクボ

「そうですね。

一等地ですが、少し狭いです。

お客さんは8人ぐらいが限界でしょうか。」


「ここはないかな。

キッチンに使えるスペースも狭いし。」


オオクボ

「わかりました。

他にも候補はございますので次に行きましょうか。」


次は貴族街にある貴族の屋敷。

改装は必要だけどスペース的には問題ない。

でも貴族街のど真ん中にラーメン屋ってのもなんだかな~。


その次も貴族の屋敷。

少し郊外よりだけど広さは十分。


その次は商店の居抜き。

レストランだったのかな。

雰囲気は高級フレンチって感じ。


う~ん、どこもしっくりこない。

庶民的なラーメン屋をオープンしたいのに、銀座や松濤を案内された感じ。

そこじゃない感が強い。


「なんか高級な立地ばっかりなんだけど、もうちょっと庶民的な場所はないですか?」


オオクボ

「なるほど。

ですが安全確保の観点から、あまりおすすめ出来ないのですが。。。」


「えっ、デジーマって治安そんなに悪かったですか?」

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