チーランさんとの話し合い

転移網の構築、

転移トラップのブラッシュアップ。

これを行いながら、もう1つ、やらないといけないことがある。


まだチーランさんと話し合いをしてないんだよね。店を出すならチーランさんにお願いしないといけない。でも、無理矢理させるつもりはない。チーランさんの気持ちは優先するつもり。


デジーマに店を出すか、

出すならどんな店にするか、

そんなことを打合せしたい。




「夜にごめんね。」


チーラン

「大丈夫ですよ。

深夜という訳でもないですから。

どうされたんですか?」


夕食後、チーランさんに残ってもらった。


「実はチーランさんに相談したいことがあるんです。」


チーラン

「なんですか?」


「新しくお店を出そうか検討してて、そこでチーランさんにシェフをしてもらえないかな、って考えているんだけど。

どうかな?」


チーラン

「モルトさんのようなイメージですか?」


「まさにそんな感じ。

もちろん、満月亭とはコンセプトは変えるけどね。」


チーラン

「今と同じように、豊富な食材を扱えて、休日には集まって料理の研究は出来るということですか?」


「そうです。」


チーラン

「なら、なんの問題もありません。

お店の場所とか、コンセプトは決まっているんですか?」


「場所はデジーマ。

あっ、でも、ちゃんと移動手段は用意する予定だから、心配しないで。」


チーラン

「アキラさんがいる限り、距離は心配していませんよ。」


「良かった。

で、コンセプトだけど、2つで迷ってて。」


チーラン

「ほう、どんな2つですか?」


「ラーメン屋とケーキ屋の2択です。

ラーメンもケーキもこの世界ではまだまだ充実していないからね。

その火付け役になるようなお店にしたいんです。」


チーラン

「なるほど、、、

でしたら、ラーメンでお願いします。」


「ラーメン。」


チーラン

「はい。

そもそも私がアキラさんについて行くきっかけになったのはスープです。

出汁の旨味、バリエーション、そういったものに心を奪われたからです。

ラーメンは麺、スープ、トッピングの3つの要素からなっています。

基本は単純ですが、その組合せは無限大です。是非、ラーメンにこだわらせてください。」


「わかりました。

ラーメン屋でいきましょう。

スタンダードな定番メニューと定期的に変わるメニューを出したいですね。」


チーラン

「定番と言えば、

醤油、塩、味噌、豚骨と言ったところでしょうか。他にもタンメン、担々麺なんかもありますね。

スープは豚骨系、鶏ガラ系、魚介系などが有名どころですかね。

麺も細麺から太麺、ちぢれ麺、卵麺、水の量、全粒粉などでバリエーション豊富です。確か葉物野菜を練り込んだ翡翠麺というのもありますね。

考え出したら止まれませんね。

早速ラーメンの研究を始めたいです。」


「まぁ、まだこれからなんで、慌てなくても大丈夫ですよ。

物件の確保と改装、他の従業員の確保とかね。やることは山積みなんで少し待っててくださいね。」


チーラン

「アキラさんはなんでも早いですからね。

エルフの感覚では『今すぐ』に近いですよ。」


「まずは基本となる1杯を作ってください。

それと並行して、変わり種メニューも考えておいてください。さすがに日替りは厳しいだろうから、週替わりか、月替わりのメニューってことにしましょう。」


チーラン

「わかりました。

準備します。

ちなみに価格設定はどの程度を考えていますか?」


「基本は10ウォンカまでには抑えたいね。

トッピングとかで高くなるのはかまわないけど、基本のラーメンは8~10ウォンカぐらいにしたいな。

高級店というよりも、いつものラーメンって感じを目指したいです。」


チーラン

「わかりました。

ダンジョンの食材を使えば、十分可能だと思います。

やってみましょう。」


チーランさんがやる気満々だ。

エルフは熱中するととことん突き詰めるタイプだからね。

どんなラーメンになるか楽しみだね。

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