試作型転移システム
『罠作成』というスキルがある。
これは必要な材料を用意して、スキルを発動すると罠が作れるというスキルです。
その後、『罠設置』というスキルを使って設置すると、わからないように設置できる。
この罠に対しては『罠探知』とかを使って見つけて、『罠解除』や『罠破壊』で無効化するという流れになる。
ただ、ベテランの冒険者になると『罠探知』がなくても違和感を感じて避けるようなことは出来るようになる。
別に避けるだけなら正確に探知する必要は無いからね。
さて、話はそれたけど、
罠系のスキルも全部持ってます。
転移罠の仕組は簡単。
罠に触れるとその人を目印まで瞬間移動させる。そこで罠の発動には魔力を消費する。
それに罠本体や目印にも負担がかかる。
丈夫な素材を使わないとダメだよね。
・・・試作型転移システムが完成しました。
まずは実験農場でテストだね。
短距離でうまくいくかどうかテストして、そこから距離を伸ばしていきたい。
僕がごそごそしているとモルガンさんが、
モルガン
「今日はどうされたんですか?」
僕
「ちょっとテストしたい道具があってね。
手作りだからうまくいくかわからないんだけどね。」
モルガン
「どんな道具なんですか?」
僕
「瞬間移動をするための道具だね。」
モルガン
「瞬間移動!?
本当にそんなことが可能なんですか!?」
僕
「理論上は出来るはずなんだよね。
後は想定外の問題がないかをチェックする段階なんだ。
あっ、もちろん、口外NGね。」
モルガン
「え、ええ、そりゃ、そうですね。
歴史が変わる発明ですよ。
そんな道具が世に出たら大騒動です!」
僕
「だよね~。
だから、まだほとんど誰にも言ってないんだ。
でも実現したら便利でしょ。」
モルガン
「便利過ぎます。
世界のパワーバランスが変わります。
それに、、、
いや、私の想像も出来ないように影響が世界中に波及しますよ!」
僕
「大丈夫だよ。
さすがに僕も今回は公開出来ないのはわかっているからさ。」
モルガン
「良かったです。
アキラ様が常識を持ってらして。」
ん?
今のって、軽く非常識だって言われてない?
まぁ、気にしないでおこう。
実験農場の端と端に転移トラップと転移先の目印を設置する。
僕
「これで準備オッケー。」
モルガン
「たったこれだけで・・・えっ!?」
僕が消えたことに慌てるモルガンさん。
急いでモルガンさんのところに戻る。
僕
「成功したみたいだね。」
モルガン
「いきなりアキラ様が消えました。
あれで転移成功なんですね。」
僕
「テストは成功かな。
魔石の消耗も想定の範囲内だね。
後は距離が伸びたらどれぐらい必要な魔力が増えるか、
距離を伸ばしても反応してくれるか、
精度を維持出来るか、
もう少しテストを重ねないとダメだね。」
モルガン
「実用化も近そうですね。」
僕
「テストと並行して、運用方法も準備しておきたいね。
ここをハブにして、いろんな場所に飛べるようにしようかな。ここなら侵入されるリスクも低いし、守りも固めやすいだろうからね。」
モルガン
「確かに完成した転移網を何者かに奪われると大変なことになります。
その備えは必要ですね。」
僕
「そうですよね。
ここの倉庫の地下にスペースを作ろうかな。
出入口に結界を張れば、侵入も防げると思うし。」
本当は満腹亭の地下にハブを作る方が便利だし、守りも万全なんだけどね。
でも、なんか、どこからでも侵入できるってのも嫌なんだよね。
実験農場をハブにして、満腹亭に来るには何ヵ所も結界を通る必要があるようにしておく。
なお、実験農場とつなぐのは、
満腹亭、
満月亭、
チリーナ、
デジーマ、の4ヵ所。
ウィリアムさんのところは無しの予定。
近いし、守りも固めにくい。
なにせ、普通の農村って感じだからね。
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