アカツキ王国王都

ホンダ公爵から依頼を受けてから月日が流れました。

明後日にはパーティーというタイミングで僕らはアカツキ王国の王都へ移動しました。


やっぱり、瞬間移動のスキルが欲しいな。

人数が多いから退屈はしないけど、さくっと移動出来る方が便利だからね。


マユラ

「アキラ君の移動スピードは異常よ。」


ルーシュ

「パエルモからアカツキ王国の王都ですと、何ヵ月もかかるような行程です。

1日で行けてしまうアキラ様はさすがです。」


「ダンジョン以外にも転移出来るようになりたいんだよね~。

そういうスキルを作れないかと思ってさ。」


アリエッタ

「スキルって作るもんなの?」


チーラン

「スキルを独自に作ったという話は聞いたことがありません。」


「作るっていうのは言葉のあやだよ。

都合の良いスキルを狙って手に入れるって感じかな。」


アイラ

「それも十分異常だぞ。」




そんな話をしてたらアカツキ王国の王都に到着。

大きいし、和風感が強い。

異世界人が建国に大きく関わっているらしいけど、本当に日本を感じる物を持ち込んでいる。たぶん瓦と白塗りの壁が雰囲気を醸し出しているのかな。


僕らは街の外に降りて、歩いて街に入る。

まずはホテルを目指そう。

衛兵さんに尋ねたら、親切にルートを教えてくれた。


大きくて立派なホテルだった。

いや、ホテルって言うよりも高級旅館って感じだね。旅館に入ると、すぐに仲居さんが寄って来た。


仲居

「ようこそいらっしゃいました。

ご予約ですか?」


「えっと、ホンダ公爵からここを使うように言われたんだけど。」


仲居

「お名前を頂戴しても宜しいでしょうか?」


「アキラです。」


仲居

「アキラ様ですね。

少々お待ちください。」


仲居さんがカウンターの奥に入ると、

なんか、ぞろぞろと出てきた。


衣装が明らかに違うのが2人。

大女将と女将って感じ。


大女将

「アキラ様、

ようこそお越しくださいました。

ホンダ公爵様より話は伺っております。

はなれへご案内致しますので、

どうぞ、こちらへ。」


案内されたのは2階建ての別館。

落ち着いた雰囲気の和風な建物だった。


女将

「2階に寝室が2つございます。

お布団はどう致しましょう?」


「6、2でお願いします。」


女将

「夕食は18時頃に1階の和室にお持ち致します。何か食べられない物などございますか?」


「大丈夫です。」


女将

「朝食は午前中にお声かけ頂ければお持ちしますので、お近くの従業員にお伝えください。

それと、こちらのはなれの名物は貸しきりの露天風呂です。是非、お楽しみください。」


「ありがとうございます。」


女将

「何かございましたら、いつでもお気軽にお声かけください。

それではごゆるりと滞在をお楽しみくださいませ。」


女将さんは説明を終えて退室。


「丁寧な宿だね。」


ルーシュ

「おそらく、アカツキ王国の最上級の宿だと思います。その中でもホンダ公爵様の客人ということで、VIP扱いなのだと思いますよ。」


マユラ

「立派な旅館だし、晩ごはんも楽しみね。」


リィズ

「伝統的なアカツキ料理が食べられるんでしょうか?」


フィオ

「先ほど本館の横を通った時に、出汁の良い香りがしました。」


チーラン

「是非、厨房を覗いてみたいですね。

頼んでみてもいいですか?」


チーランさんの積極性はすごいね。


「いいんじゃないかな?

断られたら諦めてね。

もめるとホンダ公爵に迷惑がかかっちゃうし。」


アイラ

「これからどうするんだ?」


「まずはホンダ公爵に挨拶に行こうかな。

もう王都に到着されていると思うし。」


アイラ

「わかった。

私も一緒に行こう。」


「ありがとう。」


マユラ

「じゃあ、その間に街を散策してていいかな?」


「もちろん。

良さそうなお土産あったら買っといてよ。」


アリエッタ

「任しといて。」


ルーシュ

「誰に何を買ったかリストアップしておきますね。」


「じゃあ、みんな、

晩ごはんまでは自由行動で。」

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