ホンダ公爵の依頼
マヒルさんたちは出発しました。
お礼は散々言われたし、
合否に関わらず、また来るって約束をして。
無事にランクアップ出来るといいね。
ある日。
僕のところにアカツキ王国のホンダ公爵から顔を出してほしいとの要請が入った。
もちろん無視も出来ないから、デジーマに行きました。
ホンダ
「悪いな呼び出して。
よく来てくれた。」
ホンダ公爵のお屋敷に行くと、すぐにホンダ公爵の執務室に通してくれた。
僕
「いえいえ。
大丈夫ですよ。
今日はどうされたんですか?」
ホンダ
「以前にリズムリア王国を訪れた時に、ヒデタダ様に一度食事を用意する、といった話になったのを覚えているか?」
僕
「もちろん覚えてますよ。
あの時はヒヤヒヤしましたから。」
過去にリズムリア王国主宰の晩餐会で料理を提供したら、ヒデタダ様が大層気に入ってくれて。
そこまでは良かったんだけど、エドワルド王が、「じゃ、どうぞ連れて行ってください。」みたいなことを言っちゃうもんだから、凄く慌てたのを覚えてる。
ホンダ公爵とアーサーさんが止めてくれたから良かったんだけどね。
ホンダ
「近々、ヒデタダ様の嫡男、ミッツ様のお誕生日会が開かれるんだが、その時に料理を提供してくれないか?」
僕
「それはいいんですけど。
またアカツキ王国に来い、みたいな話は困りますよ。」
ホンダ
「それは大丈夫だ。
アーサー殿の大のお気に入りだと説明してある。
あの時もエドワルド王が話に乗っかってこなければ、ただ、料理人を褒めただけで終わっていたんだ。
そもそもアカツキ王国にアキラを無理矢理引き抜こうという意思はない。」
僕
「わかりました。
さすがにアカツキ王国まで来るんで、フルメンバーは無理ですよ。」
ホンダ
「それもかまわない。
当然のことだ。
日時や人数、場所などの詳細はここにまとめてある。
私も出席するためにデジーマは出てしまうから、後で確認が必要なことがあれば屋敷の者に尋ねてほしい。」
僕
「わかりました。」
ミッツ様はまだ子どもらしい。
ただ今の国王の長男の長男。
いずれは国王になる可能性が高い人なんだって。そのミッツ様の誕生日パーティーだから、国の要人が多数参加するらしい。
ただ、国の公式な行事ではなく、あくまでもヒデタダ様の個人的なパーティーって扱いらしい。
料理も僕らがすべてを用意する訳ではなく、立食パーティーの一角で何品か提供する感じみたい。たぶん、リズムリア王国から人を呼んだってところが大事なんだろうね。
アカツキ王国の王都はダンジョンのあるジュカーイからは少し距離がある。
僕の飛行魔法でも半日ぐらいかな。
王都についてからの宿泊場所なんかは全部ホンダ公爵が手配してくれている。
依頼料はかなり高額。
そりゃ、王族主宰のパーティーの特別枠だから、当然と言えば当然だけどね。
家に帰って、皆にも報告。
今回は満腹亭のメンバーだけで参加です。
満月亭は予約制なので、急に店を閉める訳にはいかない。
満腹亭は気軽な定食屋だから、休もうと思えばいつでも休める。
今回はジュカーイからも距離があるから、数日店を閉めることになる。
閉めている間はサンドイッチを販売する予定だけど、どうしても常連さんには迷惑をかけちゃうけどね。
今回はリズムリア王国っぽい料理がテーマかな。アカツキ王国からしたら、外国っぽい料理の方がいいかなって思っている。
3品ぐらいにしようと考えてます。
肉料理と魚料理とデザートの3品。
肉料理はドラゴンのロティ
付け合わせやソースで工夫かな。
魚料理はエビとカニのカクテルサラダ
きれいなカクテルグラスとかに入れればパーティー感の強い、華やかな料理になるんじゃないかな。
スイーツは果物たっぷりのズコット。
豪華さと珍しい果物で目を惹いて、ボゥのミルクから作ったクリームが最高の味にまとめてくれると思う。
後はリィズ、フィオ、チーランさんと打合せだね。
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