Bランク昇格試験
翌朝。
マサキ
「アキラ、
ありがとう。
アキラのおかげで俺も覚悟が決まったよ。
行ってくる。」
マサキはバレティアに向かって1人で旅立って行った。
なんか、よくわからないけど晴れ晴れした顔をしている。
僕
「マヒルさんたちはどうするですか?」
マヒル
「私たちもパエルモを出発してリズムリア王国の王都を目指すよ。」
ルナ
「この街の冒険者ギルドに顔だけ出して出発する予定よ。」
フェイ
「もう一度満腹亭で食べたかったけどね。」
アリシア
「Bランクになったらまた来るからね。」
僕
「冒険者ギルドに行かれるんですか?
一応、冒険者ギルドも顔馴染みだから、案内しますよ。」
ルナ
「助かるわ。
出来れば知り合いの職員を紹介してほしいんだけど。昇格試験の段取とかを聞けると有難いからね。」
僕
「いいですよ。」
僕は4人を連れて冒険者ギルドへ。
ギルドではいつもの感じで応接室へ。
ロイズ
「アキラ君、待たせたね。
今日は大勢だね。
どうしたんだい?」
僕
「実は彼女たちがBランクの昇格試験を受けに王都に行くらしくて。
ちょっと情報収集に。」
ロイズ
「そうですか。
ギルドカードを拝見してもよろしいですか?」
クレセントムーンの4人がギルドカードを差し出す。
なんか、動きがぎこちない。
緊張しているのかな?
ロイズさんはギルドカードを確認して。
ロイズ
「確かにBランクに挑戦しても良い頃合いですね。いつ頃パエルモを出発される予定ですか?」
ルナ
「この後、出発しようと考えています。」
ロイズ
「わかりました。
それでは王都のギルド支部に連絡を入れておきます。少しは待ち時間が少なく済むと思いますよ。」
僕
「それでも待たないとダメなんですか?」
ロイズ
「Cランクまでの昇格試験は決まった日時に定期開催されますが、Bランク以上は申し込みを受けてから、個別に試験を用意致します。特に試験官を務める高ランク冒険者のスケジュール確保に時間がかかるんですよ。
でも、今から連絡を入れておけば、皆さんが到着する頃にはある程度、予定が決まっていると思いますよ。」
ルナ
「ご配慮有難うございます。」
ロイズ
「いえいえ。
気になさらずに。
ところで、昇格後のご予定は決まっていますか?」
ルナ
「どこかで専属護衛の仕事を探そうかと思っています。」
ロイズ
「そうですか。
もし、パエルモで働いてもいいとお考えでしたら、また、こちらへ顔を出してください。
よい仕事を斡旋出来るように探しますよ。」
ルナ
「本当ですか!?」
ロイズ
「ええ。
冒険者のセカンドキャリアのサポートもギルドの仕事ですからね。
それに、皆さんは『アキラ君が紹介した冒険者』です。その肩書きはパエルモでは絶大な大きさですからね。」
僕
「そうなんですか?」
ロイズ
「少しは自分の立ち位置を認識してください。冒険者ギルドでも、商人ギルドでも、ギルドマスターに顔パスで、領主様とも非常に親密。
そんなアキラ君が紹介したとなると、パエルモでは圧倒的な信頼度になりますよ。
ですので、
彼女たちは大丈夫かと思いますが、不用意に人を紹介してはいけませんよ。」
僕
「はい。」
ロイズさんからの指導が入りました。
ロイズ
「失礼しました。
商人の専属護衛以外にも冒険者ギルド支部との優先契約という選択肢もご検討ください。」
ルナ
「わかりました。」
僕
「優先契約ってなんですか?」
ロイズ
「毎月、ギルドから一定の給料をお支払する代わりに、基本的には街から大きく離れることはせずに、指名依頼を優先的に対応して頂く契約です。
まぁ、若手の育成や昇格試験の試験官、非常時の招集などですかね。」
僕
「そんなのもあるんだ。
ディオンさんとかも契約しているんですか?」
ロイズ
「『翼竜の一刺』の皆さんは街から離れたタカート山脈で長期滞在し、活動されているので、この契約は結べません。」
僕
「なるほど。」
ロイズ
「商人の専属護衛に比べれば給料は下がりますが、自由度は高いです。
1つの選択肢として考えておいてください。」
ロイズさんって、さすがだよね。
ちゃんと恩を売りながら勧誘するんだもん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます