選ぶべき道
マヒル
「美味しかった~。」
みんな満足してくれたみたい。
ルナ
「本当に美味しい料理だったよ。」
アリシア
「王都でBランクになったら、もう一度来て、ここでお祝いしたいね。」
フェイ
「賛成!」
マヒル
「アキラ君、いいかな?」
僕
「もちろん。
そうだな~、
今度はお祝いディナーにしましょうか?」
マヒル
「ホントに!」
僕
「Bランクの冒険者になるって凄いことでしょ。それぐらいならいいよ。」
フェイ
「やった~~!
こんなに美味しい料理が食べられるならパエルモに住むのもいいかもね。」
僕
「えっ?」
マヒル
「私たちもBランクになったら、どこかの商人の専属護衛になろうかなって話をしてたの。いつまでも冒険者をしてられないからね。」
これはよくある話だね。
冒険者をずっと続けるのはごく一部。
商人の護衛や騎士なんかに転職するのは、どっちかと言うと勝ち組。
Bランクなら、そんなルートを選べる。
僕
「じゃあ、これから働き口を探すの?」
ルナ
「そうね。
冒険者ギルドに仲介を頼むか、
直接商人ギルドに売り込むか、
でも、まずはどの街に住むかを決めるところからね。
パエルモは活気もあって良い街だから、有力候補の1つよ。」
僕
「まぁ、もし、本当にパエルモに住むなら、僕に言ってよ。僕もBランクの商人だから、商人ギルドにお願いしてみるよ。」
ルナ
「Bランク商人!?」
マヒル
「一足先にBランクになってるんだ。
凄いね。」
アリシア
「たぶんだけどさ、
マヒル、Bランク商人ってBランク冒険者と同じだと思ってない?」
マヒル
「えっ、ギルドの違いだけじゃないの?」
ルナ
「全然違うぞ。
私も詳しい訳じゃないけど、
Bランク商人と言えば、領主様並みの発言力を持つって聞いたことがあるわ。
それだけの人とお金を動かす力を持っているってことなの。」
アリシア
「同じBランクでも冒険者と商人では雇う側と雇われる側。大きな差があるわ。」
マヒル
「じゃあ、アキラ君って凄いんだね。」
ルナ
「このお店には領主様の紋章が大きく掲げられているでしょ。
領主様ととても関係が良い証拠よ。
領主様の紋章を掲げる定食屋さんなんて初めて見たわ。」
マサキ
「・・・アキラは凄いな。
この世界でしっかり自分の生活を送っている。
自分のやりたいこと、、、
やるべきことをやっている、、、
みんなに認められている。。。」
なんか、マサキが凄く神妙な顔をしている。
僕
「僕はやりたいことをやりたいようにやってきただけだよ。
そんな褒められるようなこともしてないし。
今はお店のみんなと美味しい料理を提供出来たらそれでいいかなって思っているだけだし。」
マサキ
「凄いよ。
俺はこの世界に来てから、
何がしたいかもわからず周囲に流されて、
やるべきことをやらずに、
逃げてきただけだった。
・・・逃げてたらダメだよな。」
僕
「?」
なんの話をしてるんだろう?
今、逃走中なの?
何から?
マサキ
「ありがとう!
アキラのおかげだよ。
俺もやるべきことをやってみるよ。」
僕
「あ、うん、えっと、頑張って。」
マサキ
「クレセントムーンの皆もありがとう。
復活出来たのはみんなのおかげだよ。
俺、行くよ。
果たすべきことがあるんだ。
今までありがとう。
本当はもっとちゃんとお礼をしないといけないんだけど。」
ルナ
「事情はわからないけど、私たちのことは気にしなくていいよ。マサキのおかげでレベルアップも進んだからね。お礼を言わないといけないのは私たちだよ。」
マサキ
「俺は明日にもバレティアに向かうよ。
行かないといけない場所があるんだ。」
ルナ
「マサキは強いから大丈夫だと思うけど、
気をつけてね。」
マサキ
「ありがとう。
アキラもありがとう。
色々解決したら、また食べに来てもいいかな?」
僕
「いつでもおいでよ。」
まったく理由はわからないけど、
マサキは何かを決意したみたい。
また魔族と戦うのかな?
まぁ、僕には関係ないけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます