帝都到着

セージ

「まぁ、似合う似合わないは置いといて、ここからは騎士団の一員のように振る舞ってもらう。基本的にはアーサー殿下の後方に黙って立っていればいい。」


「了解です。」



もうすぐ帝都だ。

帝都の門には街に入る人たちが並んでいる。

僕はセージさんの馬の後ろに乗せてもらっている。なにせ、乗馬なんてやったことないからね。

ただ、カッコ悪い。

騎士の乗馬2人乗りは様にならない。

僕のせいなんだけど。

今度、乗馬の練習してみようかな。



僕たちが門に近付くと、門から数名の騎士がやって来た。


騎士

「止まってください。

リズムリア王国からの使節団ですか?」


セージ

「そうだ。

ドバン帝国からの招きに応えやって来た。」


セージさんが書状を見せる。


騎士

「話は伺っております。

お越し頂き有難うございます。

我々のついて来てください。」



行列を無視して、先に行かせてくれる。

ドバン帝国の騎士2名が先導、最後尾にも2名。見た感じ敵意は無さそうだ。


先導に従い帝都を進んでいく。

大きい。

パエルモとは比べ物にならないぐらい大きい。リズムリア王国の王都よりも断然大きい。

そして、古い。

歴史を感じられる街並みだ。

特に中心部に近付くとより一層歴史的な建物が増えてくる。


僕はセージさんの後ろに座りながら観光気分で周囲をキョロキョロする。


しばらく進むと再びの門。

ここからは貴族街らしい。

一般市民は許可なく入れないらしい。

一気に人通りが少なくなる。

中心部に近付くに連れて屋敷が大きくなる。

貴族のランクなんだろうね。


更に進むと、次は王宮の門。

ここで馬を降りる。

アーサーさんが先頭。

そのすぐ後ろにセージさん。

その後ろに騎士たちが続く。

僕は騎士たちの中に紛れ込んでいる。



出迎えかな。

偉いんだろな~っておじいさんが先頭だ。


おじいさん

「ようこそお越しくださいました。

ドバン帝国の宰相、

ダイクーンでございます。」


アーサー

「リズムリア王国、エドワルド国王陛下の弟、アーサーだ。

国王陛下の特使として来た。」


ダイクーン

「高名なアーサー様にお会いでき、光栄です。

この度は皇帝陛下のご意向により、各国との関係改善に向けた、会議を行いたいと考えております。

まだ到着されていない国々もございますので、数日、ごゆるりとお過ごしください。

滞在中はこちらのライデンが世話役となります。」


紹介されたのは文官なんだろうけど、全然そんな感じには見えない。ムキムキなマッチョおじさんだ。


ライデン

「ライデンと申します。

滞在中、アーサー様が快適に過ごせるように尽力致します。何かご要望などございましたら、なんなりとお申し付けください。」


アーサー

「宜しく頼む。」


ライデン

「では、まずは滞在中使用して頂くお部屋へご案内致します。こちらへどうぞ。」


案内されたのは別館というのか、離宮というのか、王宮の本体の近く、大きな建物に案内された。

使用するように言われたのは2部屋。

アーサーさん用と付き人用って感じ。


ライデン

「狭い部屋で申し訳ございません。

なにぶん、各国の使者を招いておりますので。」


アーサー

「かまわん。

各国の使者がこの建物に?」


ライデン

「おっしゃる通りです。

他国の使者が多数いらっしゃいますので、無用のトラブルを避けるため、部屋から出られる際は私にお声かけください。それと建物の外は厳戒体制です。私無しに出歩くと警備に止められるとお考えください。

安全確保のため、ご理解をお願い致します。」


アーサー

「ライデン殿はどちらに?」


ライデン

「私どもはあちらの控え室におります。

不在時は代行者が対応致しますので、いつでもお声かけください。」



ライデンさんが去った後。

騎士たちが部屋をチェック。

危険がないかを調べているらしい。

隠し通路なんかあったらテンション上がるのに、調べても何もなかったらしい。

まぁ、何もない方がいいよね。

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