帝都を目指して

「うわ~!?

何してるんですか!」


えっと、馬車にいきなりセージさんが飛び込んできた。むちゃくちゃビックリしたよ。


セージ

「はっ!?

なぜアキラがここにいる?」


馬車が動きを止めた。



セージさんに叱られました。


「すいません。

つい、、、」


アーサー

「何をどうすれば、護衛付で走行中の馬車の中に『つい』入ってしまうんだ。」


「急いでそうだし、呼び止めても悪いかな~と思って。」


セージ

「護衛対象の馬車から急に変な気配を感じる方が心臓に悪いぞ。」


「すいません。

つい出来心で。」


アーサー

「は~、まぁ、もういい。

今後は驚かせないようにしてくれ。」


「善処します。」


セージ

「それにしても、こんなところで会うとはな。偶然ではないんだろ?」


「はい。

追いかけてきました。」


アーサー

「何故、我々の動向を知っている?」


「ペネロペさんに頼まれたんです。」


アーサー

「ペネロペに?」


「アーサーさんが危険な任務についているからサポートして欲しいって。

アーサーさん本人から頼まれたんなら、すぐに断れるんだけど、ペネロペさんからの頼みだと無碍に断れなくて。」


アーサー

「ペネロペ、、、

アキラ、現れ方はともかく、よく来てくれた。」


セージ

「どうやら、アーサー殿下は良い妻に恵まれたようですな。」


アーサー

「アキラよ、私のサポートをしてくれるんだな?」


「最低限、死んだり、捕まったりしないようにはするよ。

ゲコ、アーサーさんの影に入っといて。」


ゲコ

『承知』


アーサー

「ん?

何をしたんだ?」


「僕の従魔をアーサーさんの影に入れておきました。ピンチには出てきて守ってくれますよ。」


セージ

「どの程度の戦力なんだ?」


「う~ん、

なんて言ったらいいのかな、、、

フレデリカ10人が常にそばにいてくれてる感じ?」


アーサー

「戦姫フレデリカ10人分!?」


「まぁ、実際はフレデリカが10人いてもゲコには勝てないと思うけどね。」


セージ

「凄まじい戦力だな。

それでアキラはどうするんだ?」


「ずっと一緒は面倒なんで、帝都の手前で合流しますよ。」


アーサー

「わかった。助かる。」


セージ

「帝都では帯同してくれると考えてよいのかな?」


「一応ね。

あんまり長期間になるなら途中で帰るかもしれないけど。」


アーサー

「まぁ、そこまで長期になることはないだろう。長期になる時は監禁された場合だけだろう。」


「じゃあ監禁された場合は途中で帰りますね。」


アーサー

「いやいや!

監禁されないように助けてくれよ!」


「そりゃ相手によりますよ。

相手が強かったら嫌だし。」


セージ

「大丈夫だ。

アキラが強いって感じるような相手がいたらバレティアは落とされていたよ。」


「まぁ、弱い敵が相手ならちゃんと守ります。」


アーサー

「それで十分だ。」


と言うことで、ゲコを護衛につけて一旦別れました。僕は馬に乗れないし、馬車は乗り心地悪いから乗りたくないし。




そして、数日後。

ドバン帝国の帝都手前で合流。


アーサー

「よく来てくれた。」


セージ

「まずはこれを着てくれ。」


渡されたのは騎士たちが着用している鎧だった。


アーサー

「ここからはリズムリア王国の騎士のフリをしてもらう。その方が目立たなくていいだろう。」


セージ

「その格好では浮いてしまうからな。

身元を帝国に調べられるのは嫌だろ?」


「確かにそうですね。

着てみますね。」


冒険者風スタイルの時は革鎧を着るけど、金属鎧は着ることがない。

騎士団の鎧はがっしりとした作りでだいたいは金属、動かす部分とかには革が使われている。


アーサー

「似合わんな。」


「でしょうね。」


自覚はありますよ。

騎士って感じじゃないね。

客観的に分析すると、

貴族の子どもが実力もないのにコネだけで入団しました、

って雰囲気になってる。

やっぱり顔の問題なのかな?

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