ロイズさんの解説

ロイズさんがぐいっとお茶を飲み干す。


ロイズ

「覚悟は出来ました。

順番にいきましょう。

まず、テイムした場所はどこですか?」


「ジャブル大陸のエルフの里です。」


ロイズ

「その時の状況をお教え頂けますか?」


「えっと、

400年前にハイエルフがベルを封印したんだけど、ベルの封印が解けて、封印された恨みを晴らす為に、エルフの里を襲撃して、

ハイエルフたちが迎え撃ったんだけど、今度は封印に失敗しちゃって、

その場のノリでテイムしちゃいました。」


ロイズ

「ハイエルフに会ったんですか!?」


「会いましたよ。

見た目はエルフとそんなに違いはないから、わからないぐらいですよ。」


ロイズ

「本当にハイエルフはいたんですね。。。

もはや伝説的な存在なので、実在するのかどうかも怪しまれているような存在なんですよ。」


「エルフの里の一番奥にいて、普通のエルフも立ち入り禁止エリアらしいから、普通は会えないんじゃないかな。」


ロイズ

「そういうことですか。

本当に長生きなんでしょうか?」


「たぶん、むちゃくちゃ長生きだと思いますよ。400年を短い期間みたいに言ってたかな。」


ロイズ

「凄いですね。

我々の常識の範囲を超えていますね。

それに、そのベルというモンスターは伝承に出てくるレベルの存在ですよ。神話級と呼べばいいんでしょうか。とにかく凄まじい存在です。

それをテイムしてしまうアキラ君はなんなんでしょうね。」


「いや~、試したら、意外と簡単にテイム出来ちゃって。

そう言えば、テイムしたらベルの見た目が大きく変わったんだけど、そういうことってよくあるんですか?」


ロイズ

「そうですね。

それは比較的多く見られる現象です。

テイムする時にテイマーと深い結びつきが出来ます。その結びつきはモンスターの根幹の部分に影響を与えるようです。

私の知る事例では、

大型モンスターが街に入れる程度の大きさに変わったり、アンデッド系のモンスターがソフトな見た目に変わったり、などですかね。

テイマーの願望が影響を与えるようですが、細かい仕組みまでは解明されておりません。」


ベル

『どうすれば元に戻れるんだ!』


ロイズ

「残念ながら、不明です。

テイマーの意思に関係するようですが、自由自在に見た目を変えられるような便利な話ではありません。」


ベル

『戻れないのか!』


ロイズ

「現時点では不明としか言いようがありません。特にアキラ君のテイマーとしての能力は異常です。一般論は通用しないでしょう。」


「いいじゃん。

今の見た目の方がウケ良いと思うよ。」


ベル

『悪魔の王たる私が、、、

威厳のある姿が、、、』


「まぁまぁ、

気にしない気にしない。

そのうち馴れるよ。」


ロイズ

「お願いですから、悪魔の王を気軽にテイムしないでください。街中にそんなモンスターがいると思うと胃が痛くなりますよ。」


ベル

『人間、良いことを言うな。』


「でも、テイムしなかったら殺してたよ。

それは嫌でしょ。」


ベル

『うっ、、、

それは、、、』


「過ぎたことは諦めるしかないよ。

そろそろ受け入れな。」


ベル

『400年耐えに耐え、

出て来たら、

いきなり人間にテイム、、、

そう易々と受け入れられるか。』


ロイズ

「とりあえず登録作業は完了しました。

ベルの素性についてはあまり口外しないでください。

混乱が広がるだけなので。

少し変わったモンスター、

それくらいの扱いの方がいいでしょう。」


「確かに説明大変ですからね。

少し変わった悪魔、ベル。

それでいきます。

わかったね。」


ベル

『いいだろう。

私としても偉大なる悪魔の王がこのような姿になっていると思われるよりもその方が好都合だ。』


ベルの首にテイムモンスターの証を取り付けて手続き完了。

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