エルフの里見学
ハイエルフ
「1つ確認なのだが、テイムしたベルゼブブはどうするつもりだ?」
僕
「その場のノリでテイムしちゃったんで、まだ特に何をさせるとかはないです。
あっ、ここから少し行ったところにダンジョンがあるみたいなんで、一緒にダンジョンに行こうかなって思ってます。」
ハイエルフ
「ダンジョンか。
確かにアキラとベルゼブブの力があればダンジョンの最深部の攻略も出来るやもしれん。」
ハイエルフ
「今まで何度も挑戦したが、誰も最深部までたどり着くことさえ出来なかった。」
ハイエルフ
「もし、ダンジョンをクリアしたら、何があるのか教えてほしい。」
僕
「それぐらいなら、問題ないですよ。」
ハイエルフ
「楽しみに待っているよ。」
その後、いくつかやり取りをして、僕はハイエルフの家を出た。
家を出るとエルフのヨックさんとモックさんが待っていた。
僕
「すいません、勝手に樹牢から出てしまって。」
ヨック
「気になさらないでください。
アキラ様がいなければ、里は滅んでいました。」
モック
「アキラ様のサポートをするように命令を受けております。なんなりとお申し付けください。」
僕
「助かります!
街を見て回りたいんだけど、案内をお願い出来ますか?」
ヨック
「もちろん、かまいません。
ですが、特に面白いところはありませんよ。」
モック
「何か見たいものとかございますか?」
僕
「料理や食材に興味があります。
レストランや市場は見られますか?」
モック
「まずはエルフの里の仕組みを説明した方がよろしいですね。」
僕
「お願いします。」
モック
「エルフの里には通貨がございません。
基本的に里にある物はすべて共有財産という扱いになります。
食材調達も好きな時に行い、料理は置いてある食材で自由に作る、そういう仕組みです。
なので、コックや農夫と呼ばれるような職業はございません。
料理は自分で作って食べるか、料理にはまっている者が作り過ぎた物をもらう。
そんな状況です。
ですので、料理好きなエルフを紹介する、ということなら可能です。」
なるほど。
やっぱりエルフは独特だね。
僕
「でも、この里からほぼ出ないんでしょ。
どうして他の街との違いを知っているんですか?」
ヨック
「確かにここは外界との交流はありませんが、隠れ里の方は外との交流があります。
隠れ里では通貨も使用出来るんですよ。なにせ、獣人たちとも売買を行っていますので。」
モック
「それに私たちの母親はエルフの里を出て旅をしていました。私たちを身籠りエルフの里に戻ってきたようですが、外の世界についても他のエルフよりも情報を持っているつもりです。
アキラ様のサポートに選ばれたのも、それが理由です。」
確かに獣人とのハーフってことは親は外界と交流があったってことだもんね。
僕
「なるほどね~。
じゃあ、料理好きなエルフさんを紹介お願いします。」
ヨック
「承知しました。」
ヨックさんモックさんに連れられて街を歩いていく。
2人ともベルゼブブは怖いみたい。
常に目で追いかけ、警戒し、距離を取っている。
僕
「被害はどうだったんですか?」
ヨック
「建物などには被害がありましたが、死者は出ませんでした。
不幸中の幸いです。」
僕
「でも、ベルってなんでここを襲ったの?」
ベル
『ハイエルフどもに400年も封印されたんだぞ。そりゃ、リベンジするだろ。』
僕
「400年の封印はキツイね~。
でも、そもそも、400年前はなんで戦ったの?」
ベル
『私は突然変異で強力な力を得た。
虫を操る能力を持っていた私は勢力圏を広げていたら、ハイエルフどもに襲われた。』
ヨック
「ハイエルフ様は森の管理者です。
森のバランスを破壊する存在は無視出来ません。」
ベル
『勝手に自称しているだけだろ。
私は自由に生きたかっただけだ。』
僕
「まぁ、仕方ないんじゃない。
価値観も全然違うし、利益が相反するなら、妥協するか、倒すか、しかないからね。」
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