お約束

ハイエルフに迫る闇の槍。


しかし、

ハイエルフに当たる前に真っ二つに割れ、

当たることはなかった。


ベルゼブブ

『何者だ!』


「え、名乗らないとダメ?」


ベルゼブブ

『人間だと!?』


僕の姿を見たベルゼブブは驚きを隠せない。


ベルゼブブ

『人間ごときが私の魔法を防いだというのか、、、』


「ちょっと調子に乗り過ぎだね。

さすがに見逃せないよ。」


別にエルフに恩も義理もない。

どちらかと言うと、いきなり捕まえられて迷惑していたぐらいだ。

それにベルゼブブにも恨みはない。

でも、エルフの里を見学する前に破壊されるのはちょっともったいない。


それに今日の料理は口に合わなかったけど、なかなか興味深かった。

他にどんな料理があるのか?

どんな食材があるのか?

食べてみたいじゃない。


ベルゼブブ

『一度防いだだけで調子に乗るなよ!』


ベルゼブブが次々と闇の塊を放ってくる。

それを全部打ち返す。


ベルゼブブ

『グハッ!?』


ダメージを受けながらも、なんとか耐えたベルゼブブ。


ベルゼブブ

『や、やるではないか。

だが、今のはほんの小手調べだ。

私の本気を見せてやろう。

後悔してももう遅いぞ!』


ベルゼブブの魔力が跳ね上がる。

右手に炎。

左手に闇。


両手を正面にもってくる。

闇の炎が生み出される。


ベルゼブブ

『死ね!』


僕の体よりも大きな闇の炎。

さすがの威力。

もちろん当たりたくはないよ。でも避けると街の半分は消えてしまいそうだ。


仕方ないので結界で覆ってしまう。

包んだ闇の炎を、えいやっ。

遠くに投げる。

一応、途中で見た湖を目標に設定しました。

森に落としたら山火事確定だもんね。


ベルゼブブ

『なっ!?』


「ちょっとやり過ぎかな。」


僕はベルゼブブに一気に迫り、メイスで腹を殴る。

さすがにスプーンは使わないよ。

一撃で終わっちゃうからね。


ベルゼブブ

『グハッ』


ベルゼブブがおもいっきり吹き飛ぶ。

地面を転がるベルゼブブ。

ようやく起き上がるが、膝をついて腹を押さえる。


ベルゼブブ

『し、信じられん、、、』


「さてと、そろそろ終わりにしようか。」


ベルゼブブ

『ま、待て。

話せばわかる!

そうだ!

私の配下にならないか?

この大陸の半分をお前にやろう。

どうだ!

悪い話ではなかろう。』


出た~~~

ヤバくなっての「半分やろう」!

本当に言う人いるんだ!

倒せそうな相手から、配下になれって言われても、誰も「はい」って言わないでしょ。


「ありがとう♪

良い記念になったよ。」


ベルゼブブ

『では、私の配下に、』


「ならないよ。」


カットインして断る。

一度は言われたいセリフだけど、受けるつもりはないよ。

当たり前じゃん。


ベルゼブブ

『な、何故だ!?』


「一応、僕、テイマーみたいなこともやってるんだよね。お前の配下になる訳ないじゃん。

あっ!」


ベルゼブブ

『どうした?』


「忘れてた。」


ベルゼブブ

『何をだ?』


「大丈夫。

気にしないで。」


僕はニヤニヤしながら近付く。

ベルゼブブはどうしようか迷っている。


更に近付く。


ベルゼブブがたまらず逃げ出す。


「逃げちゃダメだよ。」


僕はベルゼブブを追い越す。

そのまま振り返り、アイアンクロー。

顔面を鷲掴みにし、そのまま後頭部を地面に叩きつけ、そのまま押さえつける。


ベルゼブブ

『何をする!

放せ!』


もちろん、

わざわざ捕まえたのに放す訳がない。

そして僕は魔力を注ぎ込む。


ベルゼブブ

『待て!

何をしている!?

止めろ!

止めてくれ!』


どうやら僕が何をしようとしているのかわかったみたい。


ベルゼブブが暴れる。

両手に炎をまとい、僕の右手を引き剥がそうとしているけど、その程度じや、僕の手を動かせないよ。


ベルゼブブ

『や、やめ、、、』


ベルゼブブの抵抗が止まる。

言葉も出てこないようだ。

ベルゼブブが光に包まれる。


さぁ、どうなるかな。

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