ベルゼブブ

エルフ

「ベルゼブブだと!?」


エルフ

「ユーハイム、何を言っているんだ!?」


エルフたちが混乱している。


『案内ご苦労。』


どこからか声が響く。


バタッ

ユーハイムが倒れる。


エルフ

「ユーハイム!」


エルフ

「本当にベルゼブブなのか!?」



ベルゼブブ。

僕でも聞いたことがある名前だ。

すごい悪魔だったっけ?

詳しくはないけど、よくゲームとかでも出てくる名前だ。

おそらく、あのユーハイムってエルフは操られていたんだと思う。

そして、この里への案内役をさせられたんだろうね。

その上で、更に虫タイプのモンスターを使って確認をしたってところかな。

なかなか用意周到だね。



エルフ

「ベルゼブブ!

姿を現せ!」


ベルゼブブ

『エルフ風情が私に命令するか。

身の程知らずだな。』


エルフ

「グハッ」


先ほどのエルフが闇の柱に飲み込まれ、倒れる。


そして、

巨大な闇の塊が現れる。

そして、ベルゼブブの姿となる。


ベルゼブブ。

ザ・悪役って雰囲気だ。

見た目は人間とそんなに変わらない。

髭面の体格の良いおっさんだ。

ゴテゴテした服に豪華なマント。

眼光は鋭く、周囲を威圧している。


誰でも悪役だとわかる見た目だった。


エルフ

「やはりベルゼブブの封印は解けていたのか。」


エルフ

「近頃のモンスターの異常行動の原因もお前だったんだな。」


ベルゼブブ

『長い屈辱の時間は私を更に強くした。

封印される前よりもはるかにパワーアップした私の力を思い知るがいい!』


激しい雷が荒れ狂う。

雷に触れたエルフたちが次々に倒れていく。

エルフとベルゼブブでは実力差があり過ぎる。勝負にならない。



ベルゼブブ

『脆弱!

勝負にならんな。』


エルフ

「足止めするんだ。」


エルフ

「ハイエルフ様たちがいらっしゃるまで、耐えるんだ。」


ベルゼブブ

『ククク、

やはりハイエルフ頼りか。

さっさとハイエルフを連れて来い。

でないと全滅だぞ。』


エルフ

「く、くそっ」


ベルゼブブが魔法を放つ度にエルフが倒れていく。逆にエルフの放つ魔法はベルゼブブに到達する前に障壁に阻まれてしまう。


圧倒的な蹂躙。

しかし、そんな時間は長くは続かなかった。


「そこまでだ、ベルゼブブ。」


ベルゼブブ

『待ちわびたぞ、ハイエルフたちよ。』


登場したのが6人のエルフ。

男3女3。

見た目はエルフと変わらない。

凄い高齢らしいけど、見た目は若々しい。

でも、空気感が違う。

これがハイエルフか。

確かに強い力を感じる。


ハイエルフ

「もう出てきたのか。」


ハイエルフ

「せっかちな奴め。」


ハイエルフ

「再び地の底に封印してやろう。」


ベルゼブブ

『400年だ!

私は400年もの長き間、怒りを募らせてきた。怒りは力となった。

400年前の私とはまったく別物だと思い知るがいい。』


双方ともに魔法が主体のようだ。

ハイエルフたちは囲むように動きながら魔法を放つ。

しかし、ベルゼブブも魔法で応戦する。


6対1。

しかし、ベルゼブブは負けていない。

魔法の威力と回転速度が段違いに高い。

ハイエルフたちも巧みな連携で、途切れない攻撃を放ち続けるがベルゼブブには届かない。個人の能力としては圧倒的にベルゼブブ。ハイエルフたちの顔が歪む。


ハイエルフ

「確かに強くなっている。

短期間で凄いものだな。」


ハイエルフ

「だが、我らの連携も良くなっている。」


ベルゼブブ

『カッカッカッカッ、

やはり貴様らの時間は止まっているに等しい。成長が見られないな。

怒りにより覚醒した私の敵ではない。』


ハイエルフ

「口だけは達者になったな。」


ハイエルフ

「たかだか400年閉じ込められた程度で何が変わる?」


ハイエルフの時間の感覚ってどうなってんの?

たかだか400年って。

元の世界だと江戸時代の初期だよ。


ベルゼブブ

『進歩というものを知らぬようだな。

貴様らの停滞した時間を終わらせてやろう。』


ベルゼブブの力が高まっていく。

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