エルフの隠れ里?

グルラ

「昨日は大活躍だったみたいだな。」


「まぁ、どうにかなりましたよ。」


グルラ

「で、報酬だが、食材なんかを仕入れるルートの確保だったな。」


「はい。

昨日の夜、

市場で買ったのを色々試食したんだけど、

これとこれと、、、」


いくつかを指定して、集めて欲しいと依頼しました。


グルラ

「わかった。

特別珍しい物はないから集められるだろう。

いつ引き取りに来るつもりだ?」


「1週間後でも大丈夫ですか?」


グルラ

「かまわんぞ。

じゃあ、用意しておこう。

その間、どうするつもりだ?」


「あっちの方角に行こうかと思ってます。」


ダンジョンのある方向を指差す。


グルラ

「ん~、

そっちだと、

まずはいくつかの小さい集落がある。

かなり排他的な連中だから、訪れてもあまり歓迎はされないと思うぞ。

更に奥にはエルフの隠れ里があるな。

エルフは独特だから気をつけろよ。」


「独特?

どう独特なんですか?」


グルラ

「連中はむちゃくちゃ長生きなんで、時間の感覚が全然違うんだ。

エルフからしたら、俺もアキラもガキ扱いになっちまう。

連中からしたら10年や20年はあっという間って感覚なんだ。」


「なるほど。

時間の感覚ならどうしようもないですね。」


グルラ

「まぁ、アキラの実力なら危険はないと思うが油断しないようにな。」


「ありがとうございます。

じゃあ、また来週お願いします。」




グルラさんに別れを告げて、

ティモンを出発。


方向はわかっているから、ひたすら飛んで行く。確かに小さな集落がある。

わざわざ寄るつもりはない。

無用のトラブルは避けたいし。


でも、エルフの隠れ里は寄ってみたい。

エルフにも興味あるし、トマーシュさんからも美術品とかあったら買ってって頼まれてるからね。


ティモンからかなり飛んだところで、それっぽい場所を発見しました。

森の中に大きな街がある。

しかも、周囲から発見されないように隠ぺい系の結界が張られている。

さすが、『隠れ里』。

感知能力が高くないと見逃してしまうね。


おそらく、場所を知っている人には無効なんじゃないかな。

でないと、街を出たら戻れなくなって迷子だらけになっちゃうからね。



いきなり上空から侵入すると警戒されそうなので、ちゃんと結界の外に降りて、歩いていく。

僕も常識があるからね。

隠れ里にいきなり降り立つようなことはしないよ。


村の入口は巧妙に魔法で隠されている。

でも、場所がわかっているからね。

迷いはしない。


うっそうとした木々。

でも幻影だ。

中に入っていく。


細い通り道を抜けるといきなり街が広がっていた。自然の中に溶け込むようなつくりだ。

大きな木は所々にはえている。

その周囲にうまく家を建てている。

街中にある街路樹とは全然違う。

力強い木だ。


さすが、エルフの隠れ里。

雰囲気あるな~。

そんなことを考えながら街を眺めていると、第一村人発見。



・・・って言うか囲まれました。

それも全員武装している。

8人かな。

弓も矢をセットして構えているし。。。

排他的にも程があるんじゃない?


エルフ

「人間よ、どこから入ってきた。」


リーダーっぽいエルフが声をかけてきた。

なんとか、コミュニケーションを取って、一触即発の空気を和ませたいね。

僕に出来るかな。

とりあえず、怪しい者じゃないとわかってもらわないと。


「そこの入口から、、、」


エルフ

「なぜ、入れた?

入口には、見ず知らずの者が入れないように結界が張ってある。」


「あれぐらいの隠ぺいならわかります。

探知系のスキルも持っているので。」


エルフ

「・・・なるほど。」


あっ、わかってくれた!

やったね。


エルフ

「ここは人間が入って良い場所ではない。」


エルフ

「里の場所を知った人間を野放しにも出来ない。」


エルフ

「どう対応するか、

ハイエルフ様の判断を仰ごう。」


エルフ

「それまで樹牢に入れておこう。」


樹牢?

なにそれ?

牢、なんだよね、、、

どうしよう?

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