港町ティモン

さっそくハンドル群島のパウロへ移動。

パウロはダンジョンがあるから瞬間移動で行ける。

せっかくなので王宮を訪ねることにした。。

ちなみにゲコは街中だと目立つので、気配を消して潜んでいる。


王宮にはテッドさんがいた。

ガウル国王の娘、キララさんと両想いだけど、ガウル国王に勝たないと娘はやれんと言われた、可哀想な羊の獣人だ。

王宮で同棲は認めてもらっているから、事実婚に近いかな。


テッド

「おや、アキラさん。

お久しぶりですね。

今日はどうしたんですか?」


「ジャブル大陸を目指そうかと思いまして。

ちょっと出発前に王宮に寄ったんです。」


テッド

「なかなかの長旅になりますよ。

お気をつけください。」


「テッドさんってジャブル大陸に詳しいんですか?」


テッド

「残念ながら、それほど。

ですが、ジャブル大陸の玄関口であるティモンにはパウロ出身の方も少しはおります。

国王陛下の従兄弟にあたるグルラ様はティモンに移住されて長いはずです。

訪ねれば、色々教えてくださると思いますよ。」


「ありがとうございます。

グルラ様ですね。」


テッド

「ちょっと待っててくださいね。」


テッドさんが退席。

・・・しばらく待つ。


テッド

「すみません。

お待たせしました。

キララ様に紹介状を書いて頂きました。」


テッドさん、仕事が早い。


「ありがとうございます。」


テッドさんから書状を受け取りながら、


テッド

「それと、『牙の戦士』の証は常に見えるところに装備しておいてください。

ジャブル大陸でも獣人相手には効果があるはずです。」


「わかりました。

よく見えるところに着けときます。

色々教えてくださってありがとうございました。」




テッドさんに別れを告げて、パウロを出発。

南下していくと、徐々に島はなくなり、大海原へ。

空と海しかない中で、ゆったりと将棋を楽しむ。

なかなか遠いね。

船だと2週間から3週間程度かかる距離らしい。ハンドル群島にはあまり大きな船はない。小さな島々を行き来するには小型の方が便利だ。浅瀬で座礁する心配も少なくていいらしい。まぁ、外洋に出るなら、多少は大きくしているだろうけど。

小さな船で2、3週間の船旅は大変だろうね。


僕の飛行魔法ならそんなにかからないけど。

夜間にティモンに到着。

暗いから街並は見えない。

朝まで上空で待機かな。




そして、朝。

こっそり上陸。

うーん、パウロやサンティよりも規模は小さいね。田舎の港町って感じ。

船の数も少ない。


ハンドル群島と往復している大型船よりも、小型の漁船の方が多い。

街中は人通りは多い。

でも、本当に獣人ばっかりだ。

しかも冒険者スタイルも少ない。


おもいっきり浮いてるね。

予想はしてたけどさ。


さっそく、ご飯を食べよう。

朝食から開いているお店があった。

かなりラフな造りのお店だね。

メニューは1択。

トッピングと大盛が選べるみたい。


見た目はオートミールみたい。

穀物を煮込んでお粥みたいな状態になっている。

トッピングのリストの一番上にあったそぼろを注文。


魚のそぼろだね。

鯛のお粥のイメージかな。

中華粥よりも薄味。

でも、そぼろから魚の出汁が出ていい感じ。

ペロッと食べられました。



会計を済ませてお店を出ると、4人組の獣人に囲まれた。

どう見ても善人には見えないな~。

ゴロツキ感が全開だ。


獣人

「にいちゃん、冒険者か?

ハンドル群島から来たんだろ?」


「そんな感じです。」


獣人

「1人じゃ何かと大変だぞ。

俺たちを雇わないか?」


獣人

「人間が1人でフラフラしてたら悪い獣人に襲われるぜ。」


獣人

「俺たちを雇っておけば、そんな心配もないぞ。悪い話じゃないだろ。」


どうしようかな?

どう見ても悪い人たちだもんね。

でもいきなり倒すのはまずいよね。

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