ぼろ儲け

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今回は別人の話です。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


俺はウォーレン。

商人として成功している。

かなり稼ぎは増えている。

だが、まだまだだ。

もっとビッグになってやる。


いつも使っている情報屋から新しい情報が入った。王弟殿下が『オルク麦』を集めているらしい。

『オルク麦』はセントラル大陸北部で作られている麦らしい。ただリズムリア王国は食糧が豊かな国。なかなか他国から麦を輸入していない。だから、なかなか集まらず王弟殿下が苦労しているらしい。そして、満月亭の食糧調達能力を見込んで、満月亭オーナーに確保を指示をしたらしい。


なので、今、オルク麦を用意出来れば満月亭が高額買取してくれるらしい。

だが、オルク麦は簡単には運んでこられない。


ウォーレン

「結局手に入らないなら意味が無いだろ。」


情報屋

「そっから先は追加料金だ。」


ウォーレン

「ちっ」


仕方ないから情報屋にコインを握らせる。


情報屋

「ヘッヘッヘッ、毎度あり。

実はオルク麦はあるんだよ。

商人ギルドだ。」


ウォーレン

「は?

なら、なんでそれを使わないんだ?」


情報屋

「嵐で濡れちまって、かなりカビがはえたらしい。一応、カビた部分は捨てたらしいが、さすがに王弟殿下に渡すのはまずいってことで使えないらしい。」


ウォーレン

「なるほど、、、

確かに儲かりそうな話だな。」


情報屋が更に金を催促してきたので、追加料金を渡す。


情報屋

「毎度あり。じゃあな。」




その後、商人ギルドに行って問合せをすると家畜の餌用として、格安で販売していた。

更に満月亭がオルク麦の販売依頼を出していた。高品質指定とあるが、ギルドが家畜用に販売しているオルク麦の10倍近い値段を提示している。


小飼の冒険者に商人ギルドから購入させる。

そして、俺が満月亭にこれを販売する。

簡単な話だ。


早速冒険者に購入させる。

もちろん低ランク冒険者にそんな金はない。

金は俺の金だ。

なかなか大きな出費だが、すぐに回収できるはずだ。



さっそく満月亭に売りに行くか。

これでぼろ儲けだ。

ギルドの依頼を見てきたことを伝えると、

おどおどした男と、

ゆるい顔した女が出てきた。


アキラ

「あ、ありがとうございます。

えっと、支払いは、、、」


エマ

「支払いはギルドを通じてですよ。」


アキラ

「そうだった。」


エマ

「それに受け取り日はまだ先に設定していたはずです。

えっと~、それまで倉庫に置いておいてくださいませんか?

もちろん、契約成立した時は倉庫代もお支払致します。」


ウォーレン

「それならかまいませんよ。」


へっ、倉庫代もふっかけてやろう。


エマ

「それにしても、よくオルク麦を用意出来ましたね。すごいです。」


ウォーレン

「独自のルートを持っていまして。」


エマ

「そうなんだ~。

じゃあ、コロットクルミとピヨ豆とかも用意出来ますか?」


ウォーレン

「必要なんですか?」


エマ

「そうなんです~。

これなんですけど。」


エマが資料を見せる。

なかなかの量だな。

あまり多く出回っている食材ではないが。


ウォーレン

「探してみますよ。」


エマ

「ありがとうございます!

頼りにしてますね。

これも高品質指定です。

オルク麦と同じタイミングで受け取りたいです。」


ウォーレン

「わかりました。

全力で探します。」



チョロいな。

追加の依頼までしてきやがった。

調べたら相場の1.2倍ぐらいの価格だ。

悪くない儲けだが、もう少し調べるか。


すると情報屋が耳寄りな情報を持ってきた。

虫食いのあるコロットクルミ、

古い倉庫に眠っていたピヨ豆。

これなら激安で手に入る。


激安とは言え、量が多い。

俺の資産はほとんどなくなった。

だが、すぐに10倍近い額になって戻ってくる。何の心配もいらない。

これだけの金を手に入れれば、出来ることはもっと増える。


クックックッ、

俺にも運が回ってきたぜ。

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