罪と罰

「あのさ、勝手に話を進めないでくれる。

みんな被害者っぽく話をしているけど、今の被害者は僕だよ。

僕からすれば全員加害者なんだよね。」


百田

「私たちは操られていただけなの!」


「操られていたから無罪、

って訳にはいかないよ。

僕には関係ないことだし。」


柴田

「関係ないってなんだよ!」


「まぁ、いいや。

まずは僕から平田に罰を与える。

その後、どうするかはそっちで決めてください。それでいいですよね。」


百田

「・・・私たちに平田君を預けるってことは、殺しはしない、ということよね?」


「抵抗さえしなければ。」


百田

「わかりました。」


僕は平田に歩み寄る。

尻餅をついたまま逃げようと下がるけど、後ろは結界の壁だ。


僕は平田に手をかざし、スキルを奪い取る。

そして、奴隷の腕輪をはめる。


百田

「何を!?」


「街や村に入るな。」


奴隷の腕輪が輝く。

そして、平田が苦しみだした。

まぁ、パエルモの街中だからね。


平田が奴隷の腕輪を解除しようともがくが解除できない。呪具操作のスキルは奪ったからね。


百田

「今すぐ命令を解除して!

さすがにどこの街にも入れないんじゃ、生活が出来ないわ。」


「何故、

百田先生が僕に命令できるんですか?

僕にとって、今の先生は捕まえた犯罪者だよ。普通に衛兵につき出しても間違いなく刑罰を与えられる。それに余罪もありそうだしね。」


柴田

「余罪ってなんだよ!」


「奴隷はこの世界では法律で認められた資産だよ。それを解放だ、とか言って勝手に奪ったらそれは強盗だよ。

以前、パエルモ伯爵の屋敷を襲ったでしょ。それ、死罪になるような犯罪だよ。」


大野

「俺たちは伯爵に奴隷にされてたんだぞ。」


杉山

「じゃあ、あのまま奴隷でいろって言うのかよ。」


「僕は事実を言ったまでだよ。

それに小川さん。

君もディーンさんにお世話になったのに、財産を持ち逃げしたみたいじゃないか。」


小川

「それは、、、

当然の取り分をもらっただけよ。」


「そうやって開き直るんだ。」


小川

「私は悪くない!」


「小川さんのせいで、ディーンさんのパーティーは解散して大変だったんだよ。」


小川

「それはディーンの問題でしょ。

それに馬場には関係ないじゃない!」


「そうだね。

関係ないね。

僕にとってはこれからみんながどうなるかも関係ないんだよ。」


朝倉

「関係なくないでしょ!

私たちクラスメートよ。」


「くだらないね。

この世界に来てどれだけ時間が経ったと思ってんの。

現実を見なよ。」


百田

「私たちをどうするつもり?」


「平田よりは情状酌量の余地ありだと思っているから、心配しないで。

僕の知り合いに同じ異世界人がいるから、みんなの身柄をその人に預けるつもりです。」


百田

「同じ異世界人、、、」


少しみんなの態度が軟化した。

安心したのかもしれない。


「じゃあ、おやすみ。」


全員を眠らせた。

平田だけは苦しんで眠らない。

ウーウーうるさいから結界で隔離。

もちろん防音つき。

これで平田は放置でいいでしょ。


次は他のクラスメートだ。

全員からスキルを奪う。

これで誰もスキルが使えない。

もちろん、レベルアップとかして新規にスキルを覚えることは出来るけどね。

今まで覚えたスキルはすべて奪った。


これでかなり戦力ダウンだ。

元クラスメートたちはこの世界ではかなり強い部類に入る。正直、一般兵では太刀打ちできない。だから、好き放題出来てしまう。でもスキルがなくなれば、そこまで強くないはず。特に魔法系の職業は戦力外になる。

前衛系はステータスの高さでなんとかなるところは多いだろうけどね。


そのまま全員に奴隷の腕輪を装備させる。

命令は

「セージさんの指示に従う。

リズムリア王国を守る。」


これを平田がやったように無意識に従うように操作する。

これでバレティアの戦力アップになるんじゃないかな。バレティアの安定はパエルモの安定につながるからね。

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