お守りの代わり
開けた原っぱでのお月見宴会。
みんなで楽しく過ごしている。
明かりは僕が魔法で出している。
あんまり明る過ぎると風情がないからね。
ほどよい明かりを灯している。
エミルさんは初参加だけど、明るくて元気がいいから、すぐに打ち解けていた。
ヒナタさんとは前からお友だちみたいだし。
そんな最中、僕はトマーシュさんとヒメレスさんを手招きした。
トマーシュ
「どうしたんだい?」
僕
「お2人にお渡ししたい物があって。」
ヒメレス
「なんですか?」
僕は小さな小瓶を2つ取り出す。
僕
「回復薬です。
出産って危険もあるんでしょ。
だから念のためのお薬です。
もし体調が悪くなった時は使ってください。本人は回復薬を取り出す余裕もないでしょうから。」
トマーシュ
「ありがとうございます。
素直に頂きます。」
ヒメレス
「これって気軽に使える回復薬ですか?」
僕
「いっぱいストックあるんで気兼ねなく使ってください。」
トマーシュ
「ヒメレスさん、
詮索しない方がいいですよ。
おそらく価値を知ると恐ろしくて家に置いて置けなくなりますから。」
ヒメレス
「は~、やっぱりですか。」
トマーシュ
「それでも出産の危険を考えると、背に腹は代えられません。」
ヒメレス
「そうですね。。。
心を決めて受け取ります。」
トマーシュ
「アキラ君、出産後、落ち着いたらお礼を上乗せしてお返しします。
それまではお守りの代わりに持っておきます。」
僕
「別に返さなくてもいいんだけど。」
ヒメレス
「この薬をずっと家に置いておくと不安で眠れませんよ。」
僕
「まぁ、お2人がそれでいいなら。」
回復薬の出番はない方がいいからね。
安産なら使う必要もないし。
ガロッソ
「さてと、そろそろお開きにするか。」
僕
「そうですね。」
みんなでササッとお片付け。
帰り道はリターンポイントがあるから更に速いよ。
ガロッソ
「少し呑み足りないな。
もう1軒行くか。」
帰宅チームと二次会チームに分かれる。
僕は二次会チームです!
昔なら考えられなかったけど、今ならもう少し呑もうって感じになる。
状態異常の耐性が高過ぎてほろ酔い程度にしかならないから、本来のお酒の強さはわからないけどね。
僕、ガロッソさん、トマーシュさん、ヒナタさん、エミルさん、マユラさん、アリエッタさんだ。
トマーシュさんはガロッソさんのおもりって感じかな。
アイラさんはマヘリアさんを送り届けてくれている。
もう1軒って楽しいね。
途中でエミルさんとトマーシュさんが酔い潰れてしまった。
ガロッソ
「そろそろ切り上げるか。」
僕
「そうですね。
エミルさんとトマーシュさんはうちのモンスターに運んでもらいますね。」
ガロッソ
「おう、助かる!」
ヒナタ
「今日は楽しかったです。
また行きましょう。」
ヒナタさんは元の世界なら未成年でアウトだけど、この世界は飲酒に弛いからね。
全然普通に飲めちゃう。
マユラ
「エミルちゃんはも~ちょっと修行が必要ね。」
アリエッタ
「初めてのことで気疲れしたんじゃない。
自分のところのボスも一緒だったし。」
ガロッソ
「イリーナに比べりゃ、まだまだだが、良いところもいっぱいある。
アキラ、エミルのことを頼むぞ。」
僕
「頼まれました♪」
あ~
楽しかった。
マユラさん、アリエッタさんと一緒に帰宅しました。みんなと意味のない会話でゲラゲラ笑いあう。昔はわからなかったけど、今なら居酒屋のサラリーマンさんの気持ちがわかるね。
家に帰ると意外なお迎えが。
ゲコ
『お店の周囲を嗅ぎ回っている不審者がいたぞ。』
僕
「そうなんだ。
気をつけないとね。
ゲコ、ありがとう。」
ゲコ
『引き続き警戒しておこう。』
僕
「よろしくね。」
うちを探っているのは誰だろう?
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