お月見

数日後。

お月見をすることになりました。

マヘリアさんとイリーナさんの妊娠のお祝いも兼ねてます。


場所はパエルモから少し離れた原っぱ。

ススキは生えていないけど、代わりにアカツキ王国で手に入れて花瓶に飾っています。

レジャーシートを広げて準備オッケー。

地面に石とかあったらお尻が痛いから、魔法で地面は整えてます。


満腹亭のメンバーとコーラル商会のみんな。

エミルさんは初参加です。

街から僕の飛行魔法で飛んだ時は、面白い悲鳴をあげていた。

やっぱり、最初の反応は新鮮だね。


エミル

「みなさん、なんで空を飛んで平然としているんですか、、、」


ヒナタ

「すぐに馴れますよ。

でもパエルモでお月見が出来るなんて信じられないです。」


「たまにはこういうのもいいでしょ。」


イリーナ

「普通は夜の街の外は恐怖の対象であって、わざわざ、街の外で宴会をしようなどとはしませんよ。」


「大丈夫だよ。

今日はうちのモンスターたちがみんないるから、ワイバーンが100頭襲ってきても瞬殺だよ。」


マヘリア

「大丈夫。

アキラ君の戦力は信頼しているから。」



さっそくお月見スタート。

やっぱり最初は月見だんごだよね。


ガロッソ

「このだんごは何も入ってないんだな。」


やっぱり、物足りないよね。


「月見だんごってそういう物だからね。

でも、これだけじゃ物足りないでしょ。

だから色々と用意してきました。」


ただのだんごじゃさみしいよね。

月見だんごはお飾りように用意しただけで、メインはフルーツ大福です。

王道のイチゴはもちろん、オレンジ、バナナ、ブドウ、メロン、パイナップルなどなど。この世界のフルーツは元の世界のフルーツより甘くない。まだまだ酸味を感じる。品種改良が進んでいないんだろうね。

でもあんこと合わせるフルーツ大福だと、その酸味がちょうどいい感じ。あんこもつぶあんとこしあん、それに白あんを用意。お好みの組合せを楽しめる。

いろんな種類を食べられるように、1つ1つは小ぶりに作ってます。


でもフルーツ大福だけだと酒呑みチームからクレームが入りそうなので、

シュウマイ、小籠包、ニラ饅頭、肉まんなどを用意。なんか見た目はだんごの親戚っぽいでしょ。


それとチーズフォンデュを用意。

わざわざフォンデュする肉や野菜は丸くカットしています。

これも満月のイメージで。


お酒はガロッソさんが用意してくれてます。

太っ腹だね。


妊婦さん2人はもちろんアルコールは無し。

ジュースなんかも充実させてるよ。


「エミルさん、楽しんでくれてますか?」


エミル

「もちろんです!

とても美味しいです!」


クールな印象のイリーナさんとは真逆。

明るく元気って感じ。


マユラ

「エミルちゃ~ん、

そんなお行儀よくして~。

呑みが足りないんじゃない。」


アルハラおやじのようなマユラさんが絡んでいる。


「これから宜しくお願いします。」


エミル

「こちらこそ、

ご指導ご鞭撻のほど、

宜しくお願い致します!」


アリエッタ

「そんな固くならなくていいよ。

アキラ君はBランク商人だけど、商売のことは素人だからさ。」


「その通りなんだけどさ。

一応、僕、Bランク商人なんだよ。

ガロッソさんと同じランク。」


ガロッソ

「ほう、俺に肩を並べたって訳か。」


ガロッソさん、顔が怖い。


「いえ、あ、そんなことは!

これからもよろしくお願いします!」


エミル

「ハハハハッ」


ガロッソさんもニヤニヤしながら、


ガロッソ

「でもよ、王族とまで接点があるんだ。

もう少し商売のことや貴族のことは勉強した方がいいぞ。」


「たしかにそうですね。

パエルモ伯爵に教えて貰おうかな。」


トマーシュ

「アキラさん、

その時点でズレてます。

パエルモ伯爵は超大物です。

気安く指導を頼める相手ではございません。」


「じゃあ、マーティン君の家庭教師に一緒に教えて貰おうかな。」


ガロッソ

「言ってることは無茶苦茶だが悪くないな。

一度頼んでみたらどうだ。」


「そうします。」


お月見は盛り上がりながら進んでいきました。

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