ヒデタダ様の好みは?
主賓客であるヒデタダ様の好みを知りたい。
特に嫌いな食べ物を出したら台無しだからね。本当はアレルギーとかも知りたいんだけど、この世界ではまだ食品アレルギーとかの概念がない。
だから、自分が何のアレルギーなのかを答えられる人がいない。
たぶん、あんまり強烈なアレルギーの人はいないんじゃないかな。幼い間に死んじゃうだろうから。
と、言うことで。
僕
「ホンダ公爵、
すいません、少しよろしいでしょうか?」
ホンダ
「・・・アキラよ。
なぜここにいる?
ここは、、、船の中だぞ。」
そう、ここは大海原。
デジーマからベルフォームに向かう船の中。
僕
「お屋敷に行ったら、ベルフォームに向かう船に乗られたと伺ったので。」
ホンダ
「普通はベルフォームで待つもんだ。
少なくとも出港した後の船にいつの間にか乗り込むようなことはせんもんだぞ!」
僕
「すいません。
急ぎの用件だったので。」
ホンダ
「そんなに急ぎなのか。
わかった。
話を聞こう。
だが、この船には王族の方が乗っていらっしゃる。静かに問題を起こさないようにしてくれよ。」
僕
「そのヒデタダ様について知りたいんです。」
ホンダ
「ん?
どういうことだ?」
僕
「実はリズムリア王国で開かれる晩餐会の料理を僕が担当することになったんです。
それでヒデタダ様が食べられない物とか、好き嫌いとかあったら知りたくて。」
ホンダ
「ほう、アキラが担当するのか。
楽しみだな。
ヒデタダ様は好き嫌いも無いし、食べられない物も無い。
ただ、なかなかに食通な御方だ。
満足させるのは難しいかもしれないぞ。」
僕
「頑張ってみます。」
ホンダ
「晩餐会の料理では美味しいのはもちろん、そこにどんな意味を込めるかも大切だぞ。」
僕
「意味、、、ですか?」
ホンダ
「そうだ。
今回はアカツキ王国とリズムリア王国の親善友好を目的とした晩餐会だろ。」
僕
「はい。」
ホンダ
「アキラはリズムリア王国の豊かさをアピールしつつ、アカツキ王国への親善の意思を示さないといけない。
ただ料理が美味しいだけじゃ足りないんだぞ。」
僕
「ありがとうございます。
参考になりました。
じゃあ、皆がリズムリア王国の王都に到着する頃にはしっかり準備しておきますね。」
早速、コースメニューの検討だ。
僕、リィズ、フィオ、モルトさんで満月亭に集合。
僕
「コンセプトは、
アカツキ王国の良さが感じられるリズムリア料理だよ。
アカツキ王国の調味料や食材をそのまま使うんじゃなくて、リズムリアの要素を入れていく感じかな。
料理で2つの国の友好関係を表現したいんだ。」
リィズ
「味噌や醤油なんかを隠し味に入れてみるのもいいかもしれませんね。」
フィオ
「タケノコ、山菜などもアカツキらしさが、感じられますね。」
モルト
「アカツキらしい調理法なんかも取り入れたいですね。」
みんなで何度も試作と打合せを繰り返して、ついにコースメニューが完成。
ついでに満月亭風のユニフォームを人数分用意しました。
満腹亭だといつもはファミレス風のユニフォームだけど、晩餐会には似合わないので、満月亭のユニフォームで統一しました。
これで準備はバッチリ!
後は本番を待つだけ。
アカツキ王国からの使節団が王都に到着。
もちろん晩餐会以外にも色々やることがあるみたい。
そりゃそうか。
その間に料理を準備しておかないと。
人数多いからね~。
しっかり用意を進めていく。
後は提供するだけって状態まで仕上げていく。マジックバックで時間経過を止めておく。
後はタイミングよく提供していくだけ。
フロア担当はエマさん、エリオさん、セリスさん、アイラさん、マユラさん、アリエッタさん、ルーシュさん。
僕は緊張するからバックヤードでサポートです。
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