第3騎士団

ブルータス

「うっ」


「うるさいから眠らせたよ。」


アーサー

「容赦ないな。」


パエルモ

「最重要人物だ。

常に身柄は手元に置いておきたい。

モンスターに運ばせられるか?」


「問題無いですよ。

ドラ、お願いね。」


ドラ

『しゃ~ね~な~。』


ドラが鷲掴みにして持ち上げてくれる。


アーサー

「これで第一段階は成功だな。

これから地下牢を目指す。

抵抗した兵士たちは地下牢に入れられているようだ。

その連中に協力してもらえれば、かなり有利になるだろう。」


「案内お願いしますね。」


アーサー

「任せておけ。」


道中もどんどん眠らせていく。

確実に騒ぎは大きくなっている感じ。

だけど、深夜ということもあって、まだ正確に情報はつかめてないって感じ。


僕らはアーサー王子に続いて、地下牢に到着。


「アーサー殿下!」


牢の中から声が聞こえた。


アーサー

「聞いてくれ!

既にクーデターを起こしたブルータスの身柄を押さえた。

後はブルータスに同調した第3騎士団などを排除し、エドワルド殿下を王宮に迎え入れる準備を進める。

力を貸してくれ!」


ここに捕らえられている人の大半はエドワルド派だ。アーサー王子は指揮出来ない。

協力を頼むしかないのだ。


パエルモ

「パエルモだ。

現在、アーサー殿下と協力し、ブルータスの身柄を押さえた。後はエドワルド殿下が戻られる前に出来る限り不穏分子を排除したい。

皆の忠義を示して欲しい。」


パエルモ伯爵はリズムリア王国有数の権力者だ。そのパエルモ伯爵が動いていることで話の信憑性が増し、更にアーサー王子が王位を狙っていないことを強調した。


アーサー

「敵か味方かわからん大量の兵士を眠らせた。通路に転がしてある。

まずは彼らを牢に入れてくれ。

我々はアルガスを狙う。」


兵士

「承知致しました。」



兵士たちが動き出した。

まずは眠らせた兵士たちを牢に入れながら、武器を奪っていく。

牢に入れられていた彼らには武器がないからね。


僕たちは兵士たちと分かれて別行動。



アーサー

「既に緊急事態との認識はあるだろう。

ブルータスが拐われたのもそろそろ理解したんじゃないか。

おそらくアルガスはブルータスを取り返そうと出入口をかためてくるはずだ。」


アーサー王子の言葉通り、王宮の正面出入口は大量の騎士が配備されていた。


僕はテキパキ眠らせていく。

何人いても一発で眠らせられるから、集まってくれた方が楽なんだよね。


ダッダッダッ

援軍が来たみたい。


「アーサー王子!

そこまでだ!」


アーサー

「ペネロペ!

アルガス、貴様!」


アーサー王子の婚約者ペネロペさんが縛られて騎士たちに囲まれている。

この2人、仲が良いんだよね。

政略結婚とかじゃないのかな?


アルガス

「ブルータス陛下と交換だ。

交換に応じれば、ペネロペと2人、見逃してやろう。」


ペネロペ

「なりません!

大局を見誤ってはなりません!」


アーサー

「女を人質にして恥ずかしくないのか!」


アルガス

「大義の為だ!

この国を正しく導けるのはブルータス陛下のみ!

そのためならいくらでも汚名をかぶろう。」


アーサー

「ふざけるな!

国を乱す賊臣のどこに大義がある!」


ペネロペ

「ブルータスの身柄をアーサー様が確保している限り、アルガスは何も出来ません。

私のことはお忘れください。」


ペネロペさんが気丈に振る舞う。


アルガスがペネロペさんの頬に短刀を突きつける。

一筋の血が流れる。


ペネロペ

「くっ、、、無駄です!」


アーサー

「貴様!!」


アルガスの行為にアーサー王子が激昂する。


アルガス

「お前の返答次第でこの顔が傷だらけになるぞ。本当にいいのか?」


ペネロペ

「この程度、痛くもなんともありません。

逆賊の言葉に耳を貸してはなりません。

アーサー様、ご決断を!」


アーサー

「ペネロペ、、、

さすが我が妻となる女だ。

その覚悟受け取ったぞ!」


アーサー王子が剣を構える。


アルガス

「く、くそっ!?」


アルガスが短刀を大きく振り上げる。

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