状況は厳しい

パエルモ

「王都はブルータス王子が占拠してしまった。そして王妃が協力しているなら、王国南部の貴族はブルータス王子を支持するだろう。後は我々西部とベルフォームを中心とする東部がどう動くかだろうな。」


ヒース

「エドワルド王子は現在北部です。

王都より東寄りのエリアですので、ベルフォームに一旦入る可能性が高いのではないでしょうか。」


パエルモ

「そうなれば西部がカギを握ることになる。

我が家にとっては悪い話ではない。

だが、、、そのストーリーは避けたいな。

戦闘が長期化し、国力の低下を招く。

我が家だけが得をしても意味が無い。

短期決戦を目指すぞ。」


ヒース

「どう動きましょう?」


パエルモ

「ジョシュア、ヒース。

2人はエドワルド王子のところへ行き、

ベルフォームへ行かずに、

王都に向かうように伝えてくれ。

アキラとフレデリカは私とともに王宮に入るぞ。少々強引だが王宮の支配権を奪い返す。

もちろん、アーサー殿下もお救いする。」


「もしアーサー王子が王様になりたいって言い出したらどうするつもりですか?」


パエルモ

「あの方には後ろ盾が無い。

王になったとしても国の運営が出来ない。

普通に考えれば、私が支援するとでも言わない限り、王になろうとは言わないだろう。

無いとは思うが、、、もし王になりたいと言い出せば排除するだけだ。」


なかなかドライだね。

パエルモ伯爵はアーサー王子を王様にするつもりは無いってことね。

まぁ、僕も助けを求められたから命は助けてあげたいけど、王様になってもらいたいってほど好きな訳じゃない。


「わかりました。

まぁ、僕はブルータス王子からアーサー王子を助けられれば、その後は興味ないよ。」


パエルモ

「ジョシュアとヒースの護衛にアキラの従魔を出してくれんか。」


「ゲコ。

ジョシュア君とヒースさんを守ってあげて。」


影から出てきたゲコがジョシュア君の影に入って消えていった。


「これで大丈夫だよ。

ヒースさん、ジョシュア君から離れないでくださいね。守る優先順位はジョシュア君が上になっているから、離れてたらゲコは見捨てると思うから。」


ヒース

「承知致しました。」


パエルモ

「ジョシュア、

責任は重大だが、

パエルモが王宮を捧げるとお伝えし、エドワルド王子をなんとしても王都にお連れするんだ。」


ジョシュア

「やります!

やってみせます!」


ジョシュア君は立派だね。

僕より年下なのに次期王様を説得する役目なんだもんね。




その後、ジョシュア君にパエルモ伯爵が書状を持たせて、出発させた。

王都は厳戒態勢。

門は閉ざされている。

細かい芸は無し。

ジョシュア君、ヒースさん、馬2頭をゲコが担いで街壁を越えた。


その後は馬での移動を行うみたい。

ヒースさんも騎士団の団長を任されるような人だからね。多少の問題は突破してくれるでしょう。



ジョシュア君とヒースさんを見送った後。


パエルモ

「アキラ、フレデリカ、

我々は深夜に王宮に忍び込む。

それと、誰が味方で、誰が敵かわからない状況だ。まずは無力化はしても命までは奪わない戦いをして欲しい。

無論、そんな余裕がなくなれば気にしなくて良い。さっさと殺してくれ。」


まぁ、深夜に忍び込むんだもんね。

普通の衛兵も攻撃してくるよね。


フレデリカ

「アキラなら可能だろう。」


「まぁ、気にはしますよ。」


僕、パエルモ伯爵、フレデリカさん。

モンスターチームはリンとドラ。


負ける心配はしていないけど、深夜の王宮で何が待っているか。

なんのトラブルもなく終わるとは思えないよね。

ドラのブレスで一気に吹き飛ばすとかだと楽なんだけどな~。



そして深夜。

まずは僕の飛行魔法で、アーサー王子の寝室を目指す。

いつも通りそこにいるとは限らないけどね。

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