古代の秘宝
骨船長
「凄いですね~!」
僕と骨船長は空を飛んでます。
あの後、船全体に浄化魔法を放ち、浄化。
更に船底に大穴を開けて、幽霊船を沈めてきました。
骨船長もちょっと感傷的な雰囲気を出していた。表情はわからないけどね。
骨だから。
骨船長
「そう言えば、まだお名前を伺ってませんでしたね。
私はドギーです。」
僕
「僕はアキラ。」
ドギー
「アキラさんですね。
よろしくお願いします。」
僕
「こちらこそ。」
ドギー
「しかし、アキラさんは多才ですね。
浄化も出来るし、攻撃魔法も出来るし、空も飛べる。」
僕
「スキルは色々持ってるんで。
で、宝はどっちですか?」
僕は海図なんて読めないからね。
ドギー
「あちらです。」
ドギーの指差す方角に飛んで行く。
大海原をスケルトンのドギーと飛んでいる光景はシュールだろうね。
ドギー
「う~ん。
そろそろ見えてくるはずなんですが、、、」
ドギーさんが首をかしげている。
首が落ちないか、少し心配になるよね。
僕
「あの辺りに不自然な魔力反応がありますね。ちょっと行ってみますか。」
岩礁が広がるエリアに魔力の反応があった。
近付くと、
僕
「隠ぺい系の魔法ですね。
ここに島がありますよ。」
ドギー
「なんと!?
島をまるごと隠しているんですか。
こんな岩礁エリアに船は普通、近寄りませんから、安全な隠れ家ですね。」
僕
「降りてみましょう。」
隠ぺい魔法の内側に入ると急に島が見えた。
小さな島だ。
某野球場1つ分ぐらいかな。
行ったことないけど。
小さな湾と少し開けた場所があった。
廃屋がある。
もう朽ちているけど、昔はここに住んでいたのかな。
更に奥には洞窟があった。
僕
「お宝はこの奥かな?」
ドギー
「ワクワクしますね~。」
ドギーさんと一緒に洞窟に入っていく。
少し歩けば、すぐに終点でした。
そりゃ、小さな島だからね。
洞窟の奥には金銀財宝。
まあまあの量かな。
軽トラ1台分って感じ。
金貨や宝石、美術品なんかがある。
ドギー
「ふふふ、
ついに見つけましたね!」
僕
「宝探しって面白いね。」
ドギー
「普通はこんなに簡単に見つからないんですよ。船だったら、上陸方法を探すのも大変ですからね。」
僕らみたいに空から飛んでくることは想定してないだろうからね。
ドギー
「本命はあの金銀財宝じゃないんですよ。
本命はこれです!」
ドギーさんは財宝の近くにはえているスイカ?のような果実を指差した。
僕
「その実が価値があるんですか?」
ドギー
「これはですね、『塩瓜』と呼ばれる果実なんですよ。今はもう絶滅したとされている植物です。」
僕
「へぇ~。
珍しいんですね。
その実って美味しいんですか?」
ドギー
「食べてみます?」
ドギーさんが果実を採ってくれた。
スイカのような大きさ。
縞模様はない。
形はヘチマに近いかな。
とりあえず半分に切ってみる。
ドバッ
中から果汁があふれてきた。
ココナッツの果汁みたいに大量の水分が入っている。
実をすくって食べてみる。
・・・きゅうりに近いかな。
水っぽくて美味しくはない。
僕
「う~ん、美味しくはないね。」
ドギー
「伝承通りですね~。
この塩瓜は味を求めて食べる果実ではないんですよ。
この塩瓜はかなり特殊な特徴がいくつもあってですね。
まずは海水で育つ。
年中実をつける。しかも大量に。
更に実はほとんどが水分。
しかも収穫してからも日保ちが良い。
そういう特徴から、一部の水軍で水瓶代わりに使われていたんですよ。
船乗りにとってはとても有難い植物なんです。
この塩瓜を使っていた国が戦争に敗れて、勝った国が塩瓜を燃やしたことから、歴史上から姿を消してしまったんですね。」
僕
「ドギーさん、博学だね。」
ドギー
「宝探しを楽しむ為のコツですよ。
バックボーンを知っている方が見つけた時の感動が大きくなりますからね。」
僕
「せっかくだし、塩瓜をもらおうかな。
そんな便利なら育てたい人もいるだろうし。」
ドギー
「そうですね。
面白いと思いますよ。」
塩瓜は種がないらしく、株分けしか方法がないらしい。今度、ハナを連れてきて、少しもらっていこう。
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