昆布漁

アカツキ王国のホンダ公爵からお呼びがありました。久しぶりにお屋敷訪問です。


ホンダ

「よく来てくれた。」


「お久しぶりです。

ホンダ公爵。」


ホンダ

「すまんな、急に呼び出して。」


「全然大丈夫ですよ。

何かあったんですか?」


ホンダ

「アキラは昆布漁に興味はあるか?」


昆布漁か。

見たことないな~。

って言うか、

乾燥した昆布しか見たことがない。

生の昆布って美味しいのかな?

どうやって採るんだろう。


「面白そうですね。

興味あります。」


ホンダ

「デジーマの港の北側に昆布の群生地があってな。そろそろ漁のシーズンなんだ。

参加してみないか?

もちろん、採った昆布はお前にやるぞ。」


「・・・話がうま過ぎますね。

何が狙いなんですか?」


ホンダ

「まぁ、そうだな。

実は『暴れ大雲丹』というモンスターが昆布の群生地に住み着いてしまって、漁の邪魔をしているんだ。

普通なら火属性の魔法などで攻撃するんだが、そんなことをすれば、周囲の昆布にも被害が出る。

なかなか打つ手がなくて困っているんだ。」


「それを僕に倒せと?」


ジトッとした目でホンダ公爵を見る。


ホンダ

「まぁ、そういうことだな。

昆布をやるから、昆布漁師を助けて欲しいんだ。

悪い話ではないだろ?」


「まぁ、そうですね。

生の昆布に興味はありますし。

わかりました。

倒しますよ。

ちなみに『暴れ大雲丹』は食べられるんですか?」


ホンダ

「旨いぞ。

人気の珍味だ。」


「がぜんやる気が出ますね。

場所を教えてください。」


ホンダ

「すまんな。助かる。

詳細は後で部下に説明させよう。」


「わかりました。」



場所を教えてもらって、昆布の群生地へ。

暴れ大雲丹はだいたい1メートルぐらいの大きさ。バンバントゲを飛ばしてくる。

ちなみにモンスターなので昆布は食べない。

昆布の群生地にいるのは、隠れられることと人間が集まるからが理由みたいだ。


とりあえずゲコに潜ってもらう。

さすが水中のスペシャリスト。

スイスイ泳いで、暴れ大雲丹を倒していく。

もちろん昆布には被害は無いし、倒した暴れ大雲丹もしっかり回収している。

普通の雲丹とは大きさが全然違うからね。

けっこうな量の雲丹を確保出来ました。

こっちも楽しみだね。


暴れ大雲丹はすべてゲコが簡単に退治してくれました。楽だわ~。




暴れ大雲丹を倒したら、早速、昆布漁に同行です。昆布漁は独特だった。

船の上から長いフォークみたいなのを突き刺して、掬い上げる感じ。

さすが漁師さんは慣れた手つきでどんどん採っていく。

僕も体験させてもらったけどなかなか難しい。しかも水中を見ながら、しっかり育ったのを優先的に採っていく。若い昆布は身が薄くて出汁もあんまり出ないらしい。


船上で生の昆布を食べさせてもらったけど、美味しかった。食感がコリコリして、ワカメよりも少し硬い感じ。おでんに入っているのとか、塩昆布とかしか昆布を食べたことがなかったから、食感には驚きました。

これならサラダがいいかな。

食感が楽しめそうだし。

炒め物もいいかも。

なんか沖縄料理にあった気がする。

帰ったらリィズとフィオに相談だね。



船の上で昼ごはんを食べていると急に天気があやしくなってきた。

空は雲に覆われ、薄暗くなっていく。

霧も出てきた。

急激に薄暗くなっていく。


漁師

「幽霊船だ!」


漁師

「逃げろ!」


「なんですか、これ?」


漁師

「急に異常に暗くなるのは、幽霊船が出る前兆だ。のんびりしてたら幽霊船が出てきて、船を沈められるんだ。

早く逃げるぞ。」


怖い、よりも、ワクワクが勝っちゃうよね。

幽霊船。

ちょっと憧れてしまうな。

見てみたい。


とりあえず漁師さんたちはゲコに護衛してもらう。

昆布は後でもらいに行く約束をした。


さぁ、幽霊船を見に行こう!

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