百田先生の思惑

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今回は百田先生視点です。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


時間を少しさかのぼる。


百田

「みんな、集まったね。」


百田先生たちの拠点。

百田先生と8人の生徒。

生徒たちがうなずく。


百田

「ビッグニュースよ。

ドバン帝国軍を中心に編成した大軍でノルマン奪還を目指すみたい。」


柴田

「世間的にはビッグニュースだろうけど、俺たちには関係無いだろ?」


朝倉

「バカね。

そんな大作戦なら北条君、荒川君、林さんの勇者パーティーが参加しない訳ないじゃない。」


赤沢

「それに、そんなに大きな戦闘なら奴隷も大量動員されるんじゃない?」


百田

「そうね。

みんなの言う通りよ。

私たちの狙いは、

奴隷として連れて来られた仲間の解放と北条君たち勇者パーティーのスカウトよ。」


大野

「戦争はどうするんですか?」


百田

「私たちにとって大切なのはクラスの仲間を助けることよ。非情と言われるかもしれないけど、この世界のことを心配する余裕は無いわ。」


杉山

「今のももちゃん先生って、本当に頼れる先生って感じだよね。」


百田

「昔は頼りなかったってこと?」


杉山

「いや~、そういう訳じゃ、、、ねぇ。」


みんな

「「「ハッハッハッ」」」


教室みたいにみんなでバカな話をして笑いあえる。

今は9人だ。

でもこの作戦が上手くいけば、更に人数を増やせるかもしれない。

なんとしても成功させないと。




そして戦いが始まった。

勇者パーティーのスカウトは百田先生と三上君の少数精鋭。三上君はソニックスターという素早さ特化の職業だ。

北条君たちは勇者パーティー。

確実に最も激戦区にいる。

そこから生還することを目的とした人選だ。

残りのメンバーは戦場の混乱に紛れて、クラスメートを助けることになっている。


明らかに中央付近で連合軍の被害が爆発的に増えている。


百田

「行くわよ。

あそこに北条君たちは来るはず。」


三上

「は~、腹をくくるしかないか。」


百田先生が到着した時には勇者パーティーと不動のエベレストの戦闘が始まっていた。


不動のエベレストの強さは圧倒的だった。


百田

「あの強さ、、、さすがに北条君たちも勝てないわ。隙を突いて私が魔法を放つから、その時に三上君が3人を連れて来て。

そのまま逃げるわよ。」


百田先生は密かに魔法を放つチャンスを狙っていたが、なかなかチャンスが訪れない。


ついに北条君が捕まってしまった。

魔法が放てない。


危ない!


荒川君が飛び込む。

無謀過ぎる!


あぁ、、、

助けられなかった、、、

なんて姿に、、、


ダメ!

心を強く持たないと!

まだ助けられる生徒がいる!


エベレストと北条君が離れた!

チャンスだ。

全力の魔法を放つ。


逃げる!

全力で逃げる!

エベレストに捕まれば殺される。

もう生徒を殺されないために。



エベレストは追ってこなかった。

助かった。

本気で追われたらどうしようもなかった。


戦争は負けるだろう。

あんな化け物、人間が倒せる訳がない。


・・・いや、1人だけいる。

あの化け物に勝てそうな人間が。

でも彼は戦わないだろう。

そういう人だ。



私たちが北条君と林さんを連れ帰ると、残りのメンバーたちも2人を助けることに成功していた。


小川

「先生、荒川君は?」


百田

「ごめんなさい。

助けられなかったの。」


小川

「そんな、、、」


三上

「ありゃ無理だ。

近寄ったら俺たちも殺されてた。」


百田

「北条君もショックで気を失ったままよ。

今は少し休ませてあげて。」


「凄いね。

これだけの人数を集めたなんて。」


百田

「かなり人数は増えてきたわね。

でもまだまだよ。

まだクラスの仲間の半分も救えてないの。

林さんも手伝ってくれるかしら?」


「わかりました。

でも、今はマサキが心配です。

彼が元気になるまでそばにいてもいい?」


百田

「そうね。

北条君は心身ともにダメージがあると思うから、林さんがサポートしてあげて。」

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