プレオープン

アーサー王子を客に迎える2日前にプレオープンを実施することになりました。


僕、リィズ、フィオ、アイラさん、マユラさん、アリエッタさん、ルーシュさんの7人で1部屋。


ガロッソさん、マヘリアさん、トマーシュさん、イリーナさん、ヒメレスさん、ヒナタさんの6人で1部屋。


ハロルドさんとその仕事仲間3名の4人で1部屋。


かなり客数は多くなったけど、本番に向けての練習としてはちょうどいいと思う。



メニューはおまかせのコース料理のみ。

アミューズ

エビとカニのブルスケッタ


オードブル

桃と生ハムのサラダ


パン


スープ

黄金のコンソメスープ


魚料理

海鮮ソテー


肉料理

竜タンシチュー


デザート

雪の下フルーツ


こんな感じのラインナップです。


アミューズのエビとカニのブルスケッタはさっぱりとしていながら、旨味が強い。

もっと食べたい!って気持ちにしてくれる。


オードブルは桃と生ハムのサラダ。

桃と生ハムって意外と相性が良い。

甘じょっぱいって感じ。

意外な出会いがこの後の料理への期待を高めてくれる。


パンもウィリアムさんたちに作ってもらった小麦を使っていて、小麦の香りや甘味が感じられる。


コンソメスープも凄いんだよ。

本当に黄金色に輝いてる。

もう、旨味の暴力だね。

モルトさんの丁寧な仕事と素材の良さが際立つ逸品。


海鮮ソテーは、

エビと白身魚とムール貝のソテーに雲丹のソースがかかっている。

濃厚な雲丹のソースが海鮮の旨味を引き立てる。


竜タンシチューは名物料理にする予定。

やっぱり美味しい。

とろけるのに抜群の存在感。

竜タンという素材の珍しさもあって、印象的な一皿。


デザートは僕のアイデアをモルトさんが形にしてくれました。

季節のフルーツの上にわたあめを乗せて隠し、更に上には飴細工の雪だるまをセット。

お客さんに提供された時は、真っ白な雪原に雪だるまが1つある、って感じ。


そこに客席で熱々のソースをかける。

ソースがかかると、わたあめと飴細工の雪だるまは溶けていく。

すると下から色とりどりの季節のフルーツが顔を出す。

エンターテイメント性を加えてみました。


わたあめとかが溶けてちょうど良い味になるようにソースの味を調整してくれている。

さすがモルトさん。


コースの最後にちょっとしたイベントとしては面白いかなと思って発案しました。



月毎にメニューは変えていく予定です。

メインの肉料理は固定して、他のメニューは旬とかマンネリ防止で変化させていく。

後はお客さんの反応も見ていく感じかな。



料理の味は好評でした。

本当に美味しかった。

ただ少し人手が足りないかな、という印象はあった。

おそらくお客さんが6人組、7人組、4人組という人数だったからかな。

少し待たせてしまう場面はあった。

急に店員の人数は増やせないから、今後の課題かな。


時間を見つけて従業員を見つけないとね。




すべてを食べ終えて。

全員エントランスに集合。

モルトさんからご挨拶です。


モルト

「今日はお集まり頂き、有難うございました。皆さんのご協力のおかげでここまでたどり着くことが出来ました。

これから、アキラさんの期待に応えられるようにまい進して参ります。

今後とも宜しくお願い致します。」


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僕もアイラさんから背中を押され前に出る。

これって挨拶しろってことだよね。

オーナーだし。


「モルトさんの料理は最高に美味しかったです。ハロルドさんたちが改装してくれたお店もバッチリ良い感じだし。

コーラル商会のみんなにも色々と用意するのを手伝ってもらいました。

ありがとうございました。みんなのおかげです。

明後日のアーサー王子を皮切りにお店の営業を開始します。これからもどんどん良いお店になるように成長させていきましょう。

今後とも宜しくお願いします!」


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みんなの前で話をしたりするのは苦手だけど、少しは出来たかな。

お店だけじゃなくて、僕も成長中です。

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