結果報告

騎士はヒースさんの言葉に従って、僕らを応接室に案内してくれました。

上下関係がきっちりしているんだね。


フレデリカさんはブツブツ言ってたけど。

ディーンさんがなだめてました。


トンプソン

「やはり、アキラ殿は別格のようですね。

騎士団団長が応接室に通して、領主様を呼びに走るなど、普通はあり得ないことです。」


ディーン

「まぁ、アポイントも無しに伯爵様のお屋敷に訪れて、応接室に通されるなんて特別待遇ですよ。」


しばらく待つとパエルモ伯爵とヒースさんがやって来た。


パエルモ

「すまんな。待たせた。」


「すいません、急に来て。」


パエルモ

「かまわんよ。

そちらの5名がそうか?」


「そうです。」


パエルモ

「わかった。

これから宜しく頼む。

まずは自己紹介をしてくれるか。」


トンプソン

「おそれながら、質問をしても宜しいでしょうか?」


パエルモ

「かまわん。

申してみよ。」


トンプソン

「私たちはまだ試験も何も受けておりませんが、『これから宜しく』とおっしゃるからには、仕官を受け入れてくださる、と考えて宜しいのですか?」


パエルモ

「アキラの推薦だ。

断るつもりはない。」


トンプソン

「承知致しました。」


ヒース

「では、名前と職業とレベルを。」


ディーン

「ディーンです。

戦士、

レベル28です。」


トンプソン

「トンプソンと申します。

ナイト、

レベル27でございます。」


その後もリザーブナイツのメンバーが自己紹介していく。


フレデリカ

「フレデリカだ。

戦乙女

レベル54。」


パエルモ

「レベル54!

しかも戦乙女だと!」


ヒース

「まさか、戦姫フレデリカか!?」


フレデリカ

「そう呼ばれることもある。」


パエルモ

「よく勧誘できたな。

各国が勧誘の使者を出して、ことごとく断られていると聞いている。」


ヒース

「戦姫フレデリカが加入すれば、戦力不足も一気に解消出来ますね。」


パエルモ

「貴族たちへの牽制にもなる。

アキラよ、どうやって口説いたんだ?」


「えっと、、、

メイスで殴って、首を絞めて?」


パエルモ

「・・・それは交渉か?」


フレデリカ

「アキラに負けて、アキラの命令に従わなければならなくなった。それだけだ。

それにここにいればアキラとの再戦もやりやすいだろ。」


不敵にニヤリと笑うフレデリカさん。


「いやですよ。

僕は戦う気はありませんからね。」


フレデリカ

「フフフ、そちらに無くても関係ないね。

信じられないその強さ。

それが目の前にあっておあずけは無理だね。」


嫌だ~。

この感じ、フレデリカさん、絶対、また戦おうって頻繁に言ってくるよね。

面倒くさ過ぎる。


「は~、

それなら、

僕の従魔のガウに勝てたら再戦は受けます。

ただし、ガウと戦うのも月1回までね。」


フレデリカ

「従魔だと!

お前、テイマーなのか?」


「従魔はいますけど、テイマーじゃないです。僕は商人です。」


フレデリカ

「フフフ、まぁいい。

お前がわざわざ名前を出したんだ。

相当強いんだろう。

楽しみで仕方ないな。」


「戦う場所は考えてね。

万が一僕のお店でガウに挑んで、お店やお客さんに迷惑かけたら本気で怒るからね。」


フレデリカ

「わ、わかった。

もちろんだ!

お前の商売の邪魔をするようなことはしない。約束する。

心配しなくていい!」


ヒース

「あの戦姫フレデリカがこれ程恐れるとは。」


パエルモ

「少し話が脱線したが6人とも採用だ。

フレデリカは別格としても、他の5人も騎士団で中核を担えるレベルだ。

ここにいるヒースが騎士団の団長をしている。詳細はヒースから説明しよう。」


ヒース

「では、6名は私について来てください。」


ヒースさんに連れられてみんな退室。


パエルモ

「やはり、と言うか、

さすが、と言うか。

想像の斜め上の人物を連れてくるな。

だが、非常に助かった。

礼を言うぞ。」


「僕としてもパエルモが侵略とか受けたら大変だからね。

パエルモの平和を守る為に上手く使ってください。」


パエルモ

「わかった。

約束しよう。

それとこれだけの精鋭を集めてくれたんだ。

しっかりと礼金を渡さんとな。

後でザバスから受け取ってくれ。」


「ありがとうございます。」


なんか最近、パエルモ伯爵から礼金をもらってばっかりな気がするな。

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