初めての料理

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今回はリィズとフィオが中心です

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満腹亭の営業が終わった後、リィズとフィオはパエルモ伯爵のお屋敷に訪問することになりました。

営業が終わるタイミングで馬車が迎えに来てくれてました。アイラさんが同行してくれます。荷物はすべてマジックバックに入れてあります。


屋敷に到着すると厨房に案内されました。

アイラさんは別室で待っていてくれるみたいです。


厨房にはマーティン様、ジョシュア様、タチアナ様がいらっしゃいました。

タチアナ様はふらい屋の立ち上げの時に多少の接点はあったけど、残りの2人はほぼはじめましてです。


リィズ

「満腹亭から参りましたリィズと申します。」


フィオ

「同じくフィオと申します。

今日は宜しくお願い致します。」


タチアナ

「わざわざ来てくれてありがとう。」


マーティン

「どんな料理を教えてくれるんだ?」


ジョシュア

「折角の機会だ。

私も教えてもらいたいんだが、かまわないか?」


リィズ

「もちろんでございます。」


フィオ

「ニンジンのキッシュ

ロールキャベツ

ミルクレープの3品を手分けして作りたいと考えております。」


タチアナ

「楽しみだわ。

私も本格的な料理は初めてなの。」


ジョシュア

「ぜひ、お願いするよ。」


マーティン

「ちょっと!

依頼したのは私なんですよ!

勝手に話を進めないでよ!」


タチアナ

「フフフ、ごめんね。」


ジョシュア

「じゃあ、マーティン。

開始の合図を頼む。」


マーティン

「リィズ、フィオ

始めてくれ。」


リィズ・フィオ

「「承知しました。」」


キッシュは既製品のパイシートを使います。

ウィリアムさんが作ったニンジンは甘い。これだけでも美味しいです。

ニンジンを主役にベーコンを加えて旨味を追加。後は全部パイシートに入れてオーブンに入れるだけ。


ロールキャベツもキャベツの美味しさとひき肉の美味しさが魅力です。

大きなキャベツの葉を軽く茹でて柔らかくします。芯に近い分厚い部分は削ぎ切りにします。

そこに玉ねぎをたくさん加えたひき肉を入れて巻きます。それを鍋に敷き詰めてブイヨンで煮込めば完成。


ミルクレープは大量のクレープ生地を使います。タチアナ様が黙々と焼いてくださいました。それが完成すれば後は単純作業です。

生クリームやスライスしたフルーツを重ねていけばいいだけ。正解なんて気にせずに好みに合わせて乗せていけばいいと思います。


3人は真剣に取り組んでくださいました。

横でザバスさんがメモをとってくれています。これで次も作れるはずです。

それに特別な調理はしていないので、お屋敷で雇っている料理人の方も簡単に再現出来ると思います。


もちろん、満腹亭で出す時はもう少し工夫を加えたりしています。

今回は作りやすさ、簡単で美味しい、をコンセプトにしているので、違って当然です。




マーティン

「完成だ!」


少し遅くなってしまったけど、なんとか完成しました。


ジョシュア

「料理とは奥が深いな。

料理がこれほど面白いとは知らなかったよ。」


タチアナ

「せっかくだから、リィズとフィオも試食に付き合ってくれない?」


作った料理を盛りつけて、食堂で試食会を開催。

もちろん完璧とは言えませんが美味しかったです。少しクレープ生地が焼き過ぎていたりはありましたけど、気になるほどのミスではありません。

パエルモ伯爵と夫人も喜んでくださるんじゃないでしょうか。




タチアナ

「遅くなってしまいましたね。

長時間拘束してしまってごめんなさいね。」


ジョシュア

「とても良い経験になったよ。

依頼料を割り増しして支払うように伝えておこう。」


マーティン

「これで父上と母上も驚かせるな!

2人とも期待以上の働きだったぞ。」


リィズ

「お褒めに預かり光栄です。」


ドゴォォォォォンンン!!


突然、轟音が鳴り響いた。

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