旅行3日目

2日目は海を満喫した。

元の世界にいた時は、小さい頃に家族旅行で行ったことがあったけど、全然楽しかった記憶はない。

中学、高校では一緒に行く友だちもいなかったしね。


今はわかる。

海サイコー!

他愛ない遊びでも、いつもと違う環境で、みんなでわいわいすれば楽しい。

旅行は誰と行くかが大事だって痛感するね。


3日目はバラバラだ。

僕、リィズ、フィオ、モルトさんはガウル王に紹介してもらった料理店の厨房を見学させてもらう。

王様と懇意にしているって強いね。

普通に頼んだって絶対断られるからね。


後はウインドサーフィンをやるメンバー。

昨日、海で遊んでいる時に見て、やりたくなったらしい。

メンバーはマユラさん、アリエッタさん、エマさん、エリオさん。


残りのアイラさん、ルーシュさん、セリスさん、モルトさん一家は街ぶら。

お世話になっている人たちへのお土産もお願いしました。

コーラル商会のみなさんに、ウィリアムさんやニコラスさん一家、実験農場、王都で店を改装してくれているハロルドさん。他にも数えたらキリがない。


この世界に来て、世界が広がった。

こんなにもつながりが増えたんだ。

元の世界にいた時なんて、中学の修学旅行のおみやげも渡すのは両親だけだったからね。

成長したってことかな。



僕らはいくつかのレストランを見学させてもらった。

質問すれば答えてくれるし、可能な範囲で味付けなんかも教えてくれる。

最高だよ。


パウロは食が豊かだ。

ダンジョン産のお肉、

海産物、

多様な南国の農作物。

世界有数の豊かさだ。


パエルモも豊かだけど、パエルモは肉が少ない。それに砂糖。パウロはサトウキビが大量生産されているから砂糖が豊富だ。それに胡椒などの香辛料。

味付けの幅広さはパウロは世界一じゃないかな。


ただ、素材が良過ぎると工夫は減るのかもしれない。けっこう単純な料理が多い。

手を沢山加えるよりも、素材を感じられる方が美味しいって感覚なんだろうね。

最初にこの街に来てたら、ここに住んだかもね。唯一悔やまれるのは季節感があまり無いことかな。年中夏だからね。季節に合わせた料理って考えはない。

冬の鍋は楽しみたいよね~。


煮込み料理系とか包み焼きが美味しかったかな。

アルミホイルとかじゃなくて、バナナの葉っぱとかでくるんで焼くと香りも移って更に美味しくなっている。

煮込み料理は食材の豊富さがそのまま旨味になっている。肉も魚も内蔵も、色々な煮込み料理があったけど、どれも美味しかった。



リィズやフィオ、モルトさんは真剣だ。

僕はただ楽しんでいたけど、3人は少しでも知識を吸収しようとしている。

質問もバンバンしている。

モルトさんの存在はリィズとフィオにとって、良い刺激になってる感じかな。

すごいよね。



楽しかった旅行も終了。

帰った翌日は関係各所におみやげを配り歩きました。僕は実験農場と王都のハロルドさんに渡しました。

実験農場はけっこうな人数だからね。

20組の夫婦にミトさんと助産師のミランダさん。

合計22人。

南国のお菓子。カカオを使った豆菓子で、揚げた豆に砂糖とカカオパウダーをまぶしたものだ。

それと干し貝柱。おかずにもおつまみにも使えます。

さすがにお酒の差し入れを大量にするのもどうかな~と思ったのでこのチョイスにしました。

時々、お酒は入れてもらっているので、その時にでも食べればいいんじゃないかな。


ハロルドさんには木工細工。

古くからの芸術品らしい。

よくわからない置物。

・・・うん、僕はいらないね。

トーテムポールに似た置物だね。

僕の店には置かないでね。


本人は喜んでた。

異文化に触れるのは刺激になるらしい。

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