アキラの選択
ハモンド
「どうなさいますか?」
僕
「セリスさんをお願いします。」
セリスさんが驚き意外そうな顔をしている。
セリス
「私でいいのか、、、?」
僕
「もちろん。」
ハモンド
「ありがとうございます。
では、契約と参りましょう。」
奴隷たちが退場し、ハモンドさんが契約書などを準備していく。
僕
「ハモンドさん、
別件で相談したいことがあるんだけど、いいかな?」
ハモンド
「もちろんです。」
僕
「実は戦争奴隷を10人ほど雇ってまして、彼らにお見合いパーティーを開きたいんです。」
ハモンド
「えぇ~と、戦争奴隷にお見合いパーティーですか?」
僕
「実は・・・。」
簡単に事情を説明する。
男ばかりで不満が溜まっていること。
結婚させて村にしてしまおうと考えていること。
長期的に安定した労働力を確保したいこと。
ハモンド
「事情はわかりました。
どのようにお見合いパーティーを開くおつもりですか?」
僕
「ハモンドさんには農村に嫁いでもいい女性を出来るだけ用意してもらいたいんです。
そして、僕が連れてきた戦争奴隷と集団お見合いをして、双方が結婚に合意した場合、その奴隷を購入する。
どうかな?」
・・・トマーシュさんの入れ知恵です。
僕のざっくりしたイメージを現実に落とし込んでくれました。
ハモンド
「面白そうですね。
・・・ただ、手数料はお願いしたいところです。最悪の場合、1組も夫婦にならなかったら我々は収入がまったくありませんからね。」
僕
「それもそうですね。
わかりました。
いつぐらいなら奴隷を用意出来そうですか?」
ハモンド
「10日ほどは頂きたいですね。」
僕
「じゃあ2週間後にしましょう。
会場は、、、」
ハモンド
「街外れの広場でいいでしょう。
周りになにもないので。
雨の場合はうちの倉庫にしましょう。
狭いですが、なんとか入ると思います。」
僕
「ありがとうございます。」
ハモンド
「さてと、
セリスの用意も出来たようです。」
セリスさんが出てきた。
パッと見た感じは普通の村人って服装にしてくれている。
手は傷跡が痛々しい。
セリスさんが頭を下げる。
セリス
「よろしくお願い致します。」
僕
「こちらこそよろしくお願いします。」
ハモンド
「ありがとうございました。
では、2週間後、宜しくお願い致します。」
ハモンドさんのお店を出て、とりあえず近くのカフェに入った。
スコーンと紅茶のセットを2人分注文。
スコーンはマーマレードをつけて食べる。
なかなか手をつけないセリスさん。
僕
「甘いもの嫌いだった?」
セリス
「そういう訳では。」
僕
「じゃあ、遠慮しないで食べて。
その後、今後のことを説明するから。」
セリス
「ありがとうございます。」
美味しそうに食べるセリスさん。
スイーツは贅沢品。
なかなか奴隷の身分では食べられない。
と言うか、一般市民でも、いつも食べられるものではない。
僕
「僕の状況を説明するね。
僕はリズムリア王国のパエルモって街で満腹亭っていう定食屋をやっているんだ。
そして、今度王都に新店舗を出すことが決まっている。
セリスさんには王都の店のフロア担当兼護衛になって欲しい。
オープンまで時間がまだあるから、先にレベル上げをして、その後、パエルモのお店で店員としての練習をして欲しい。
ざっくりこんな感じかな。
何か質問はある?」
セリス
「大丈夫です。」
僕
「じゃあ、まずはこれを飲んで。」
僕は薬の入った小瓶を出した。
セリスさんは一瞬躊躇ったけど、何も聞かずにグイッと飲み干した。
セリス
「えっ!?」
セリスさんの手は光に包まれ、失われた親指がはえてきた。
セリス
「何が起きたんだ??」
僕
「指がないと不便でしょ。」
セリス
「体の欠損を再生する回復薬。。。
こんな高価なもの、私が使用して良かったのですか!?」
僕
「全然問題ないよ。
気にしないで。」
セリス
「気にしないことなど出来ません。
こんな回復薬、おそらく貴族でも簡単には手に入れられない代物です。
このご恩は一生忘れません。」
ダンジョンの90階ぐらいなら簡単に手に入るから、在庫が山程あるなんて言えないよね。
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