トマーシュのアドバイス
トマーシュ
「なるほどね。
重要な問題だね。」
僕
「どうしたらいいですか?」
トマーシュ
「うーん、
私も専門じゃないから的確かどうかはわからないから、参考程度にしておいてよ。」
僕
「参考にさせてもらいます。」
トマーシュ
「ハハハ、
それじゃ、
3パターンぐらい説明しようかな。」
僕
「お願いします。」
ちょっと事情を聞いただけで3つも対応策が出せるトマーシュさんはさすがだね。
トマーシュ
「まずは1つ目。
何もしない。
さっき名前の出ていたモルガンさんって人も言っていたけど、既に戦争奴隷としてはかなり恵まれた待遇なんだよ。
彼らはあくまでも戦争奴隷だからね。
アキラ君が拒否しても、誰からも非難は受けないよ。
戦争奴隷という立場を忘れさせないためにも、有効な手段だと思う。」
僕
「なるほど。
断るのも悪くないんだ。」
トマーシュ
「そうだね。
特にリーダーとモルガンさんがしっかりしているから問題は無いだろうね。」
僕
「他の2つも教えてください。」
トマーシュ
「じゃあ、次ね。
次はご褒美作戦。
このパエルモには性的なサービスを提供するお店もあるんだよ。
そこに連れていってあげるんだよ。
頻度や人数は相談して決めればいいと思う。
仕事を特に頑張った人や成果を出した人にご褒美として連れていってあげるってルールを作るんだ。
分かりやすいご褒美はやる気につながりますよ。」
僕
「馬にニンジンぶら下げるイメージか~。」
トマーシュ
「この方法だと、多少の手間はあるけど、感謝されるし、仕事のやる気アップにもつながる。欠点は仕事を評価する人間に力が集中するリスクかな。」
僕
「力が集中するってどういうことですか?」
トマーシュ
「アキラ君が常に仕事をチェックすることは出来ないだろ。そうすると誰を連れて行くかを決めるのは、アキラ君に仕事の状況を報告するモルガンさんになる。
実質的にモルガンさんが誰を連れて行くか取捨選択しているのと同じ状態になってしまうんだよ。」
僕
「そっか~。
でもモルガンさんなら大丈夫だと思うけど。」
トマーシュ
「そうだね。
でも、もしモルガンさんが亡くなったら誰かが引き継ぐことになるし、数年後もモルガンさんが変わらない保証は無いよ。」
みんなを評価する立場になって何年もすれば、権力が生まれるかもしれないか、、、
トマーシュ
「3つ目。
結婚させてしまう。
簡単に言えば、嫁入りしてくれる女性を探してくるんだ。
実験農場の住みやすさは他の農村より断然高い。そこに嫁入りしてくれる女性は十分いると思う。
この方法を取ると、実験農場は実質的に村になる。夫婦になれば子どもが生まれ、孫が生まれ、と代替りしながら実験農場を引き継いでくれる。
10年と言わず、もっと長期的に運営出来るようになる。」
僕
「なるほど。
単発でストレス発散させるんじゃなくて、家庭を作ってもらうのか~。
でもどうやって嫁入りしてくれる女性を探すの?」
僕の彼女すらいないのに、
他人の嫁さんを大量に探すなんて出来ないよ。
トマーシュ
「方法は色々あるよ。
なにも自分で探さなくてもいいんだよ。
市場で顔の広い人に頼んだり、うちも農村に行商している人間がいるから声をかけることもできるよ。
他にも奴隷を買うという方法もある。」
僕
「そっか~。
ありがとうございます。
ちょっと考えてみます。
ちなみにトマーシュさんのオススメはどの案ですか?」
トマーシュ
「3つ目かな。
1つ目の無視はアキラ君の性格的に難しいでしょ。2つ目はデメリットもあるし、毎回アキラ君が運ぶのも手間だよ。
3つ目なら長期的に安定するからね。」
なるほどね。
僕
「僕もそうしようかと思っていました。
3つ目の案をベースに動いてみます。」
トマーシュ
「そうか。
また何かあったらいつでもおいでよ。」
僕
「ありがとうございます。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます