エリオののぞみ
歓迎会の翌日。
珍しいコンビが話しかけてきた。
アイラさんとエリオさんだ。
僕
「どうしたんですか?」
アイラ
「エリオから相談を受けてな。
アキラに相談があるんだ。」
僕
「どんなことですか?」
エリオ
「私はアイラさんのように強くなりたいと指導をお願いしたんです。
面接の時に見せた強さは別格でした。」
僕
「なるほどね~。
アイラさん強いもんね。
でもなんで強くなりたいの?」
エリオ
「ねえさんを守るには強くなければならない。ねえさんに危害を加える相手と戦わなければいけませんから。」
エリオさん、ぶれないな~。
僕
「強くなるならダンジョン行く?
ランドル王国のダンジョンにそろそろ行こうと思ってたところだし。」
エリオ
「ランドル王国?
たしか大陸西部の国ですよね。
わざわざそんな遠くのダンジョンに行くのですか?
フラメル王国のダンジョンでいいのでは?」
僕
「大丈夫だよ。
すぐに行けるから。
そうだ!
モルトさんとエマさんも誘って行こうか。
レベル上げといて損はないもんね。」
エリオ
「しかし、ねえさんを危険にさらす訳にはいきません。」
僕
「大丈夫だよ。
ちゃんとケガしないようにサポートするし。
エマさんのHP高い方が安心でしょ。」
エリオ
「それは、、、確かにそうですね。
ただ何日ぐらいの想定ですか?
あまり長旅はねえさんの負担になります。」
僕
「そうだな~、
4、5日ぐらいかな。」
エリオ
「なっ!?
そんな日程ではフラメル王国すら行けませんよ。ふざけてるのですか。」
エリオさんが少しイラッとした感じを出す。
アイラ
「事実だ。
アキラなら、その程度の日数で十分だ。
アキラの言葉は信用にあたいする。
今後はそんな態度をとるな。」
エリオさんは一瞬、驚いたような表情をした。すぐにいつもの無表情に戻り、
エリオ
「大変失礼致しました。
アキラ様の指示に従います。」
僕
「アイラさん、ありがとう。
じゃあ、みんなのスケジュール確認してダンジョンに行ってくるよ。
モンスターチームもたぶん行きたがると思うし。」
と言うことで、
みんなに確認を取りました。
モルトさんとエマさんもダンジョンに行くことは問題無いとのこと。
引っ越しも終えたのでいつでも4、5日ぐらいなら大丈夫との回答でした。
結局、エリオさんから相談された3日後に出発することになった。モンスターチームもボゥ以外は全員同行する。
ちなみに、
エリオさんは『黒執事』という上級職でした。執事に素手での戦闘力をプラスしたような職業で、前衛もこなせる優良職だ。
エマさんは踊り子。素早さや器用さが高い。しかもレベルが上がるとダンススキルを覚えるらしい。一応戦闘職扱いの職業だ。
モルトさんは料理人。
そのままだね。
3人の装備は僕の方で用意した。
完全にオーバースペックなやつです。
安全にレベル上げるなら、良い装備は必須だと思います。
3人とも革鎧を着て、
エリオさんはナックル、
エマさんはショートソード、
モルトさんはロングソード。
すべてダンジョン産の非売品。
Aランクの冒険者でも十分満足の品です。
エマ
「エリオ、見て見て♪
冒険者みたいじゃない?
かっこいいよね?」
エリオ
「(か、かわいい!)
ダメですよ、ねえさん。
ダンジョンは危険なんですから、そんな浮かれてたらケガをしますよ。」
エマさんはだいたい楽しそうだ。
今回もいつもと違う冒険者ファッションにテンションが上がって、何度もくるくる回っている。
そんなエマさんを見て、エリオさんの表情もいつもより若干弛んでいる。
出発前のレベルは
エリオさん レベル8
エマさん レベル2
モルトさん レベル3
エリオさんは過去に少しレベル上げをしたことがあるらしい。ダンジョンは行ったことはないけど、街の周辺にいるモンスターと戦ったそうだ。
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